2012 Fiscal Year Research-status Report
過疎地域の宗教ネットワークと老年期宗教指導者に関する宗教社会学的研究
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23520092
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Research Institution | 鈴鹿短期大学 |
Principal Investigator |
川又 俊則 鈴鹿短期大学, その他部局等, 教授 (40425377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武笠 俊一 三重大学, 人文学部, 教授 (50157715)
板井 正斉 皇學館大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40351225)
磯岡 哲也 淑徳大学, コミュニティ政策学部, 教授 (90201920)
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Keywords | 過疎 / ネットワーク / 宗教集団 / 老年期 / 指導者 / 宗教学 / 社会学 / ライフヒストリー |
Research Abstract |
以下の2つを、当初の計画通りに進めた。 (1)基礎的データの収集、関連研究の整理 前年度に引き続き、文献・各教団等の新聞・機関誌等から過疎地域と宗教集団(各教派等)および宗教者の老年期に関する情報を入手し、過疎地域とネットワークに関連する先行研究を分析整理した。 (2)調査・研究会 4人の共同研究者は、各人に与えられたテーマに従って、前年度に引き続いて、個別調査を実施した。そのうち、代表者は高齢の宗教指導者へのライフヒストリー・インタビューや老後の施設の見学、および、三重県過疎地域の行事等を見学し、関係者へインタビューを行った。過疎地にある教会・神社・寺院の複数を視察し、このテーマにおける三重県の実態を深く探った。7月、研究会および共同調査(熊野市の神社、熊野市紀和町での寺院・神社・新宗教教会、熊野市育生町・紀宝町の寺院等で見学や宗教指導者・信者等へのインタビュー)を実施。9月、研究会および共同調査(松阪市飯南町・飯高町の神社・旧寺院等、津市美杉町・津市一志町の寺院等の見学や宗教指導者等へのインタビュー)を実施。11月、研究会(三重県の民俗調査)を実施。2月、研究会(ある年中行事と関連書の勉強会)を実施。3月、研究会および共同調査(鳥羽市立図書館および鳥羽市神島)を実施。研究2年目ということで、個別研究の中間報告や講師を招いての関連テーマに関する研究会を多く開催し、各人がテーマへの理解を深め、またより多くの情報収集ができるようにした。また、次年度にパネル発表および報告書作成をすることを鑑みて、共同調査を前倒しで実施した。成果を次年度、日本宗教学会のパネル発表および報告書刊行という形で報告することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各人が分担テーマを掲げ、個別調査を中心に進めているが、予定通りに進行している。 共同調査を3回、研究会は共同調査を含め年間5回開催できた。次年度の共同調査を前倒しに実施するなど、当初計画以上に進行している。研究会では、幅広い知見を得るために、研究者・実践者など、多様な講師をお迎えし、貴重な情報を得る機会を得られた。次年度に刊行される予定の報告書にも、それらの知見を含めたものを編集したいという声が上がっている。 個別調査等は、各人の計画に従って進められている。代表者は分担のキリスト教はもとより、全体統括ということで、県内各地での年中行事等の見学も心がけてきた。過疎地域の状況をある程度つかみつつあり、おおむね順調である。一部、調査対象者の都合や共同調査を優先させたために、個人調査で予定がずれた場合(次年度実施など)もあったが、おおむね順調である。計画の一部は修正して進めていく。 現時点までの中間報告的な成果報告は、代表者がその一部を、論文や口頭報告として行っている。他の分担者は、まだ学会等での成果報告に至っていないものの、次年度には、日本宗教学会にてパネル発表を行う予定ある。それ以外の機会にも、成果を公表するよう心がけたい。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の4つを、各人および全体で計画している。その際、メーリングリストの議論を通じて決定していっており、今後もそれを続ける。 (1)個別調査。2年間の調査の推進度を踏まえ、各教団等の基礎データを整理し、各自が予定している調査を進展させる。さらに、研究のまとめとして、関連情報を得るべく、県外での調査も必要な場合に実施する。 (2)共同補充調査。夏期に熊野市他の寺院・神社等で、複数のメンバーによる補充調査をすでに予定している。それ以外の地域でも、パネル発表や報告書刊行のために、再度の調査が必要な場合は行う。 (3)研究会。前年度の成果報告および、パネル発表の準備を兼ねて、8月に1回、実施予定。その後、報告書刊行に備え、12月頃にも研究会を1回程度予定している。 (4)研究発表。本研究の成果を、個別の研究発表として、東洋学研究所等の研究会で行う。また、日本宗教学会では、パネル発表を行う予定である。当然ながら、個別の論文や研究ノート等での報告も行う。本調査のまとめとしては、報告書を年度末に刊行予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)個別調査・共同補充調査・研究会。個別調査では、三重県各地での現地調査、各教団等の基礎データ整理・収集、関連研究の情報収集、報告書等の打ち合わせのための東京等での調査等。対象者・情報提供者への研究協力については謝金(物品)を支払う。共同補充調査も実施。公共交通機関利用が困難な場所はレンタカー等を利用することもある。研究会は8月に1回、12月頃1回を実施予定。その際、講師を招くことができれば、その旅費・謝金を支払う。 (2)研究発表。日本宗教学会では本メンバーによるパネル発表が予定されている。その他の研究会等の参加旅費等も予定。 (3)関係文献の購入、資料複写等。 (4)文具等必要物品の購入等。 (5)研究者同士の情報共有(資料配布等)および調査対象者・講師・関係者への連絡のための通信費。
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Research Products
(5 results)