2011 Fiscal Year Research-status Report
介護と看取りの現場に根ざした近世日本思想史研究の構築
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23520094
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本村 昌文 東北大学, 学術資源研究公開センター, 協力研究員 (80322973)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 死生観 / 介護 / 看取り / 思想史 |
Research Abstract |
本研究の目的である17世紀日本の死生観の形成と展開を明らかにし、介護と看取りの現場とのつながりを検討するために、以下のことを行った。 基礎資料の収集として、介護・看取りおよび死生観に関する研究文献を収集し、研究史の整理を行い、分析の方法・視点を深化させた。近世往生伝のうち、特に17世紀に作成された資料を中心に基本事項のデータベース化を行い、17世紀における仏教の死生観を検討する基礎作業を行った。17世紀における儒教の死生観をもとに、アンケート調査項目を作成し、アンケート調査の予備調査を行った。 分析と考察として、17世紀における儒者の死生観を朱子学と比較検討し、その特色を明らかにした。本成果は、個々の儒者の死生観としてのみ検討するのではなく、個々の死生観を明らかにしつつ、その相互関係や当時の社会状況をふまえ、立体的に把握したところに意義がある。この成果を中国で開催された国際シンポジウムで報告した。また、現代の家族介護者の抱える問題を検討し、国内シンポジウムで報告した。 医療・介護従事者や家族介護者と定期的に座談会・研究会を開催し、介護と看取りの現状把握につとめた。具体的には、介護と看取りのセミナー(第1回:浄土宗の死生観・9月17日、第2回:死と生をみつめる江戸の人々・2月17日、第3回:個別の人生観をもつ方々の終末にかかわって・2月25日)、介護と看取りのフォーラム(テーマ:現代の介護・看取りと伝統的死生観、報告者4名、および報告者と参加者の座談会、1月21日)を開催し、現代の介護・看取りの現場と伝統的死生観との接点を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎資料の収集として、計画通り、介護・看取りおよび死生観に関する研究文献を収集し、研究史の整理を行った。予定していた禅仏教に関する資料収集は、研究協力者の事情により、次年度以降にまわし、かわりに近世往生伝のデーターベース化を行い、そこにみられる死生観の検討を行う基礎作業を行った。 17世紀における儒教の死生観の総合的な検討を行うことによって、仏教・神道・庶民の死生観をあわせて立体的に把握するための基盤を形作ることができた。 医療・介護従事者や家族介護者と定期的に座談会・研究会を開催し、介護と看取りの現状把握を行、伝統的死生観との接点を検討することができた。またこうした座談会・研究会を通して、アンケート調査実施の基盤を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した近世往生伝のデーターベースをもとに、17世紀における仏教の死生観の検討を行う。あわせて神道・庶民の死生観の検討を行い、儒教・仏教・神道・庶民の死生観を立体的に把握する。 上記の成果をもとに、伝統的死生観を項目として類型化し、アンケート調査の項目作成作業を行い、予備調査を実施し、伝統的死生観を再評価する方法を吟味する。 学会・論文等により研究成果の発信を行う。引き続き、医療・介護従事者や家族介護者と定期的に座談会・研究会を開催し、介護と看取りの現状把握につとめるとともに、研究成果の発信を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)