2011 Fiscal Year Research-status Report
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23520144
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
本村 健太 岩手大学, 教育学部, 教授 (70281946)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 映像メディア表現 / ヴィジュアル・ジョッキー / メディアアート |
Research Abstract |
インタラクティブ映像メディア表現については、VJ(ヴィジュアル・ジョッキー)、すなわち即興演奏的な映像表現についての造形原理を中心とした構成学的考察及び実践研究のうち、VJ表現の実践的検証を行うのが、本研究の初年度の課題であった。1. VJ表現の実践的検証については、これまでのVJ活動による表現技術の蓄積を示すものとして、岩手大学アートフォーラム主催による平泉国際交流展「アートでつなぐ」(2011年9月)のオープニングイベントに際して、野外での映像展示を実施した。音楽表現との融合において、VJ表現の基本的な技術との連動で作り出された映像を公開する好機となった。2. 造形原理を中心とした構成学的考察については、「インタラクティブ映像メディア表現の構成学的研究に向けて - VJ表現のメディアアートへの展開事例とその基本原理の考察」(岩手大学教育学部年報)にまとめた。VJ表現の特質とその可能性について、VJは「インタラクティブ」な関係によって「リアルタイム」の映像生成をなす創造的な主体として捉えられることを示した。また、VJ表現における造形要素的分析の基礎として、構成学的な美的構造は「カラーライト」(色光)、「モーション」(運動)、「サウンド」(音)、「インタラクティビティ」(対話性)、そして「リアルタイム」(同時性)であることを確認した。さらに「VJ表現のメディアアートへの展望」に関する実践の経緯をまとめるとともに、「プラネタリウムVJイベント」(盛岡市子ども科学館)、志波城古代公園映像ショー、「アート&テクノロジー東北2008」(INSアート&テクノロジー研究会)、「第3回岩手県公会堂アートショウ+(プラス)」(文化庁、岩手県公会堂アートショウ実行委員会)における展開の経緯を確認し、VJ表現のメディアアートとしての可能性を音楽との関連、表現する主体の観点で検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下に記述した計画の内容については、一定の成果を得ているため。 初年度においては、まず本研究課題の基礎的段階として、特にバウハウスやメディアアート関連の理論的な考察のための文献調査・資料収集を行いつつ、下記のような内容での実践研究も実施する。 VJ表現の実践的検証として、音楽との関連性をもつ映像表現の造形原理について、その美的構造をなす光(色彩)、運動、音声、対話性、そして同時性等の観点から造形思考の発展的展開を試みる。ここでは、VJの実験的実演を通して、その美を織りなす構造に関与するライブの操作性に重点をおき、音楽との同期、ライブ感、インタラクティブ、リアルタイムという観点を実践的に検証していく。この操作においては、映像用機材とともにVJ専用のミキサーを使用する。 造形原理に関する考察において、VJ表現に使用する基礎造形としての映像素材制作は、ミキサーによる映像の重なりやスイッチングによる切換を前提として作られる。その映像素材には、その場でのライブ映像、ビデオ撮影に基づく実写を編集加工したもの、2DのFlashアニメーションによるもの、3DCGによるものなどがあるが、それぞれの表現手段における特徴を抽出し、実制作を伴いながら実証的に内在する造形原理を明らかにしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのVJ表現に関する実践研究については、メディアアートとしての可能性や表現する主体としての観点での考察を継続するとともに、Webデザインにおけるインタラクティブな設定を伴う映像メディア表現の特性の考察にも着手する。 今日的なWebデザインの潮流及び制作時におけるメディア特性の扱われ方を中心に、そのコンテンツとしての動画等のインタラクティブな作品における行動の設定、その反応や操作性、そして映像・アニメーションと音楽(サウンド)の関係付けなどについて、文献調査や関連展覧会での作品展示の調査によって明らかにしていく。バウハウスの時代から試みられていた造形原理を中心とした理論的考察を同時進行させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
まず、次年度使用額が生じたのは、旅費の未使用分と論文投稿のための経費が不必要となったことによるものであるが、これらは単年度で終了するのではなく、研究期間を通じて行う予定であるため、次年度に継続的な研究の予算の内訳として使用する。 VJ表現及びWebデザインに関する実践研究については、展示なども考慮した展開のために、表現技術を検証するためのソフトウエアや機材等を購入する。 参考文献や理論研究のための資料収集にも研究費を使用する。また、文献調査や関連展覧会での作品展示の調査のために、旅費を使用する。
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Research Products
(1 results)