2012 Fiscal Year Research-status Report
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23520144
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
本村 健太 岩手大学, 教育学部, 教授 (70281946)
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Keywords | インタラクティブ / 映像メディア表現 |
Research Abstract |
岩手大学教育学部研究年報において、「インタラクティブ映像メディア表現の構成学的研究に向けて‐Webデザイン・コンテンツの展開事例とその基本原理の考察‐」を掲載した。この論文は、本研究課題による初年度の準備的研究として考察した「VJ表現のメディアアートへの展開事例」と並行して、さらに「Webデザイン・コンテンツ」としての展開事例を対象に本研究課題の考察範囲を広げていくものであった。ここでWebデザイン・コンテンツを考察対象にするとはいえ、それを商業的な効果をもたらすためのノウハウや、卓越したサイトを制作するためのマニュアルとして扱うのではなく、一つの表現手段における構成学的な造形原理の問題として扱った。つまり,本研究課題に位置づけた「インタラクティブ映像メディア表現」の一つの存在形態として取り上げたものである。筆者が取り組んできたWeb上での制作事例を紹介し、その都度浮上してきた課題を整理しながら、その造形原理と表現としての展開の可能性について吟味した。 内容構造としては、「はじめに」から、第1章「Webデザインの造形原理と表現の可能性」において、1マークアップによるWebデザイン、2Web標準とそれに準拠した制作事例、第2章「FlashによるWebデザインの可能性」において、1Happy Media Machineの構築、2Happy Media Machine以後のフルフラッシュ・サイト、第3章「Flashコンテンツのさらなる可能性」において、1アクションスクリプトによる造形、2AS3.0による構成主義抽象画の描画システム、最後の「まとめ」となっている。 なお、第3章のAS3.0による構成主義抽象画の描画システムについては、初年度の「VJ表現のメディアアートへの展開事例」とも関連し、「A&T東北1021」イベント(芸術科学会東北支部)で成果発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で示した通り、本研究課題の計画に準じた成果を得ている。 本研究課題は、実践研究を含んであり、その活動においても順調に進行しており、それが理論研究と相補的な関係を持ちつつ進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本研究課題の最終年度となるため、これまでに実施してきた研究の成果を再度見直すとともに、歴史上のバウハウスにおける映像表現の事例も理論研究として追加し、今日的な表現のあり方を追求するともに、歴史的な流れについても補完的に研究成果を出すつもりである。つねに実践研究と理論研究のバランスをとりながら、最後のまとめを行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度は、実践研究の発表を行い、その事例研究を行うため、映像メディア表現に関わる研究課題の実験的な機材、材料、加工費、展示のための経費についての使用を主なものとする。また、資料収集等のための国内旅費も使用予定である。 次年度使用額(繰越金)は、2,633円と少額であるが、映像機器付属品等の消耗品の購入に当てる予定である。
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