2011 Fiscal Year Research-status Report
映像作品における女性像「プリンセス」と「戦う女性」にみられるゴシック性の研究
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23520146
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
照沼 かほる 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (60312766)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アメリカ文化 / 映像文化 / ゴシック文学 / ジェンダー / 英米文学 |
Research Abstract |
本研究は、アメリカにおいて19世紀からさまざまな形で展開される「少女・女性の成功物語」を、ゴシック的要素と結びつけることで、「プリンセス(願望の)物語」と位置づけ、それを用いることで、アメリカの映像作品で描かれる「プリンセス」と、一見それとは対照的とみなされてきた「戦う女性」が、ともにゴシックの呪縛を帯びた、共通の矛盾・問題点をはらんでいること、またそれが広くアメリカ文化に浸透している女性像の問題と結びついていることを論じるものである。 研究の初年度に当たる23年度は、当研究の関連図書のうち主に19世紀に関する文献・資料と、関連映像作品を収集し、読解・分析を行うことを予定していた。 実際には、主として『アメリカン・ゴシック傑作選 Part2』(全8巻)の各作品について読解・分析を進めたが、研究成果のまとめとして、広く紹介・情報提供・意見交換を行うには至らなかった。また、映像作品については、ジャンル毎の関連作品リストを作成し、入手が必要な作品の確認と、次年度の研究の準備を行った。 一方、大衆文化として影響力の大きいディズニーの、プリンセスもの最新作『塔の上のラプンツェル』に関する研究として「ラプンツェルの『冒険』-ディズニー・プリンセスのゆくえ2」を発表し、囚われの身から自由を求めて立ち向かう「現代風」のプリンセスの「冒険」の意義とその限界、および観客たる女の子への影響等について論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
東日本大震災および東京電力の原子力発電所の事故による深刻な被害によってもたらされた、例年とは異なる業務や活動に、多大な時間・労力・心労を費やさざるを得ない事態が生じたため、当初の計画通りに進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に引きつづき、関連図書・映像文献の収集及び、それらの読解・分析・関連づけを、今年度に行えなかった分も含めて進める。 また、研究の成果をまとめ、紙面およびインターネットなどのメディアを通して、広く紹介・情報提供を行う。また、担当科目においても情報提供・意見交換を行う。 今年度分の遅れを取り戻すべく、可能な限り本研究に時間を費やせるよう努めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設備備品費:研究実施計画に基づき、研究に必要な関連図書・映像文献を購入する。また、今年度に予定していながら購入できなかった文献等についても、収集する。 旅費:研究実施計画に基づき、文献収集および研究会への参加、研究発表などを行うのに使用する。
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Research Products
(1 results)