2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520201
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Research Institution | Oita Prefectual College of Arts and Culture |
Principal Investigator |
関口 洋美 大分県立芸術文化短期大学, その他部局等, 准教授 (70435379)
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Keywords | オノマトぺ / 鑑賞 / 感性評価 |
Research Abstract |
平成25年度は、完成した鑑賞シートの効果を確認するためにさらに実証授業を行った。成田市立遠山中学校の1.2年生の美術の授業において、鑑賞シートを使用し、鑑賞シートによって鑑賞文の作成を促すことができたかを検証した。「群鶏図」や「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」などを鑑賞してもらい、鑑賞直後に書いた鑑賞文の長さと、オノマトペによる感性評価をした後に書いた鑑賞文の長さとを比較した。その結果、オノマトペによる感性評価後の鑑賞文の方が有意に文字数が多いことが分かった。また、授業後、授業を実施した美術教員の話から、多くの生徒たちが鑑賞シートの感性評価がある方が鑑賞文が書きやすかったと答えていたことが分かった。特に、鑑賞文が苦手な生徒にとって、本鑑賞シートは有効に作用していた。 本研究の目的は大きく分けて2つあった。1つは、鑑賞文作成を支援するためのオノマトペを活用した鑑賞シートを完成させることである。この目的はすでに達成され、鑑賞シートを完成させることができた。また、鑑賞シートは固定的なものではなく、オノマトペによる感性評価の尺度を中心としているが、この尺度を組み込みながら周辺の記入欄は授業主によってアレンジして使用してもらえるという応用範囲の広いものとして完成させることができた。もう1つの目的は、この鑑賞シートが子どもたちの鑑賞文の作成に効果をもたらすかを検証することであった。この目的も、平成24年度、平成25年度の2回にわたる検証授業において実証された。 本課題の研究期間は3月をもって終了したが、研究協力いただいた中学校美術の教員からは、今後の研究授業などでも使用し、広めていきたいという言葉をいただくことができた。ただ、本研究において音楽の授業において検証を行うことができなかった。この点については、今後検証を行っていきたい。
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Research Products
(5 results)