2012 Fiscal Year Research-status Report
近世前期上方出版界の転換期における浮世草子作者の営為に関する研究
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23520235
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
藤原 英城 京都府立大学, 文学部, 教授 (20264749)
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Keywords | 日本近世文学 / 出版文化 / 浮世草子 / 書肆 / 作者 / 和学 / 歌学 |
Research Abstract |
浮世草子作者月尋堂の多彩な文学活動の内、和学者としての活動を中心に研究・調査を行った。具体的には、以下の4項目を当該年度の中心課題として取り組んだ。下記の書物は、研究代表者のこれまでの研究によって初めて月尋堂の著作として明らかとなったものだが、個々の著作については紙幅の制限もあり、論文では詳細にすべてを紹介することはできなかった。下記1の成果により、その1つの全貌が示されたことは当該年度の成果として意義深いものと言うべきであろう。 1、月尋堂の歌学書『和歌俗説辨』(正徳2年刊)の翻刻・解題を公刊した(「月尋堂の歌学書『和歌俗説辨』―翻刻と解題―」「『京都府立大学学術報告 人文』64号、2012年12月、pp.1‐28)。 2、月尋堂の歌学書『歌道名目抄』(正徳3年刊)の翻刻ならびに諸本調査に着手し、月尋堂の『和歌俗説辨』や『和歌名所詠格』などの他の歌学書との内容比較から、その歌学的教養のあり方や背景について考察している。 3、月尋堂の有職故実書『官職田舎辨疑』(宝永8年刊)の翻刻、諸本調査を継続中。有職故実と歌学の教養のあり方を総合的に考察している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に研究成果の一部を公刊することができ、資料収集・調査はやや遅れ気味ではあるが、全体としてはおおむね順調に推移しているものと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に基づき、関連資料の収集や諸本調査などを続行し、月尋堂の知られざる和学関連著作の翻刻・解題を中心とする研究をすすめ、その成果を公刊する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
月尋堂関連資料(古書)が市場にあまり出回らなかったことに加え、訪書調査が十分に行えなかったために支出を一部留保することとなった。 次年度は所蔵機関等への訪書調査に早期に重点的に取り掛かるとともに、関連資料の継続的収集や研究成果の公刊に取り組む予定である。
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Research Products
(1 results)