2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520249
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
袴田 光康 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (90552729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 任仲 明治大学, 知財戦略機構, 研究員 (30599577)
堂野前 彰子 (岡本 彰子) 明治大学, 知財戦略機構, 研究員 (50588770)
木村 淳也 明治大学, 知財戦略機構, 研究員 (40614772)
金 孝珍 明治大学, 文学部, 講師 (20638986)
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Keywords | 国際情報交換 / 韓国 / 三国遺事 / 東アジア / 神仏習合 / 琉球説話 / 歴史叙述 |
Research Abstract |
本研究は、『扶桑略記』・『三国遺事』・『遺老説伝』という、日本・韓国・琉球の漢文説話を通して、それぞれの説話言説における仏教の受容の特徴と東アジア地域に共通する神仏習合の論理構造を探究することを目的としたものである。当初の研究計画では、研究分担者らを三つのグループに分け、『三国遺事』の本文研究・『扶桑略記』の比較研究・『遺老説伝』の出典調査などを進めていく方針であったが、研究期間の後半からは、韓国の『三国遺事』を中心に据えて日本や琉球の説話との比較を行う形に修正すると共に、特に韓国の学会等での研究発表を積極的に進めてきた。 研究最終年度である2013年度は、韓国日本言語文化学会(11月9日、ソウル)において研究代表者と研究分担者2名が研究発表を行った。また、韓国の研究者らと共同で『「三国遺事』の新たな地平―韓国古代文学の現在―』(勉誠出版、2013年11月)を出版することができたことも大きな成果であった。同書には、研究代表者の論文をはじめ、研究分担者3名の論文も掲載されている。『三国遺事』研究の面では進展、成果が見られた一方、データ・ベース構築作業は大きく遅れ、「東アジア仏教用語集」は完成に至らず、その基となる「『三国遺事』仏教用語索引」がようやく出来上がったのみである。これについては、研究期間終了後も引き続き、増補・修正を加えていく予定である。最終年度にあたり、これまでの主な研究成果として論文12本と資料を研究成果報告書としてまとめ、製本したものを関係者および関係機関に配布した。 本研究を通して韓国の研究者らと学術的交流を深めることができたことは、予想外の収穫であった。それは、あくまでも副次的な成果ではあるが、今後、更に「東アジア」という視点で研究を推進していく上では、共同研究の人的基盤として期待することができる。その意味でも本研究は有意義であったと言える。
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Research Products
(22 results)