2013 Fiscal Year Annual Research Report
17世紀における伊英文化の邂逅に出版が果たした役割についての実証的研究
Project/Area Number |
23520324
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
冨田 爽子 拓殖大学, 工学部, 教授 (30197925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 晶子 拓殖大学, 国際学部, 教授 (60384707)
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Keywords | 英米文学 / 17世紀 / イタリア / 書籍 / 出版 / 書誌学 / 翻訳 / ルネッサンス |
Research Abstract |
本研究は1603年から1642年に英国で出版された全ての‘Italian Books’ を調査し、研究者が確立したメソッドで書誌学的記述を試み、英国がイタリア ルネッサンスの影響を受けて文化を開花させたその過程において出版の果たした役割を明らかにすることを目的としている。1642年以降、大変容を遂げる英国の出版活動の直前においてそれらの ‘Italian Books’ が英国の文人や知識階級、及び、劇作家とどのような文化的邂逅を遂げたかを実証的に検証し、当時の英文学や英国演劇にどのような影響を与えたかを明らかにしようとするものである。 昨年度に引き続き、English Short Title Catalogueの中から 16018年~1642年に出版された‘Italian Books’を抽出する作業に専念した。ESTC は原則として、著者または翻訳者、編集者別に編纂されているが、書名からだけでは判別できないものも多く、その抽出には莫大な時間と労力を必要とした。学期中は電子データ等により大まかなデータ整理を行い、夏と春の2回にわたって渡英し、 British Library 等で資料を集め分析を試みた。同時に、本研究ではイタリアの原典にも当たることが不可欠であり、これらの多くは電子化されておらず、また必ずしも英国には所蔵されていないので、その詳細を探るのに困難を極めた。幸い各国の図書館が協力してくれたので、大いに助けられた。画像も入手できるようになり研究の進展に役立った。17世紀の書籍に関する書誌学的研究はイタリアにおいても期待されている。時間と忍耐のいるテーマであるが、研究は概ね順調に進み、研究をほぼまとめることができた。特殊文字や、ラテン語、ギリシャ語などを含んでいるため、まだしばらく校正作業や修正作業が続くが、なんとか無事に完成させたいと考えている。
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