2013 Fiscal Year Annual Research Report
虚構の現実、リアルなフィクション:英米文学と「親密さ」という現象に関する一考察
Project/Area Number |
23520345
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
若菜 マヤ 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (80201143)
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Keywords | ミクロ社会学的分析 / インティマシー(近しさ) / エンパシー(感情移入) / イーデス・ウォートン / ジェーン・オースティン / ジョージ・エリオット / 感情と思考 |
Research Abstract |
当該研究者の単著、*Performing the Everyday in Henry James's Late Novels* (Ashgate, 2010) の出版関連の作業に思いの他時間をとられ、予定が少し狂ったが、次なる単著を出版すべき研究を進め、ホーソーンの「牧師の黒いベール」論、オースティンの『高慢と偏見』論、ウォートンの『イーサン・フロム』論及び『無垢の時代』論、さらにジョージ・エリオットの『フロッス湖畔の水車小屋』論(2章分)をミクロ社会学的視点から執筆した。書き溜めた書籍原稿は110,000 words以上となる。出版を目指している単著、*Performing Intimacies* (仮題)で取り上げる作家を束ねるテーマはintimacy(親しさ)だ。読者と筆者、登場人物同士の間に生じるintimacyはそれぞれempathy(感情移入)の作用により浮き彫りになるが、人と人が intimate な関係になったりならなかったりするメカニズム、あるいは必ずしもいわゆる親しい関係でなくとも何らかの近しい関係を築く人間の営みをミクロ社会学で言う「顔」の問題を中心に据え、文学作品を紐解く中で浮き彫りにした。それぞれの章を、ホストとゲストの関係、hurt control (痛みの管理)、感情と思考、ミクロ社会学的な「顔」と実際の顔の関係、あるいはナラティヴとアイデンティティーの関係、をキーワードにまとめた。 英米欧の出版社に順次発送できるよう、書籍全体の構想及び各章の要点、あるいは予想される読者層等を纏めた計画書(book proposal)を執筆し、さらに、それぞれの出版社が求める情報を整理し、発送しだしたところである。書籍原稿が求められれば、最終点検を行い、外部の審査に付するべき原稿を送付できるところまで作業は進んだ。
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Research Products
(4 results)
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[Book] *Transforming Henry James* (“Value in Henry James’s ‘Paste’ (1899): Understanding James as a Microsociologist”)2013
Author(s)
Maya Higashi Wakana, David McWhirter, Martha Banta, Leland S. Person, Susan Gunter, Rosella Mamoli Zorzi, J. Michelle Coghlan, Anna De Biasio, Carlo Martinez, Tatiana Petrovich Njegosh, Gianna Fusco, Julie Rivkin, Collin Meissner, Merle A. Williams, Pierre A. Walker, Anna Despotopoulou, Donatella Izzo
Total Pages
466 (319-333)
Publisher
Cambridge Scholars Publishing
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