2012 Fiscal Year Research-status Report
旧満洲地域の都市歴史文化地図シリーズ第一分冊「大連、旅順編」の制作
Project/Area Number |
23520439
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
木之内 誠 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (50195327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平石 淑子 日本女子大学, 文学部, 教授 (90307132)
大久保 明男 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (10341942)
橋本 雄一 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (30305403)
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Keywords | 歴史文化地図 / 大連 / 満洲国 |
Research Abstract |
課題遂行二年目の昨年度は、地図上に記入されるべき項目のデータベース化の作業を進展させながら、地図本体の作図制作を本格的に開始し、調査用の予備地図作成を進め、中山広場を中心とする歴史的景観地区については、歴史ガイド地図としての一応の完成をみた。 2012年9月および翌年3月の二度にわたり、メンバー合同による、大連および旅順、金州地区での現地調査を行い、調査用地図への現場情報の記入、映像による記録をすすめた。これと平行して、現地古書店などで関連文献資料の調査、収集、購入につとめた。大連近代史研究会副会長の王珍仁氏や大連外国語学院の宮偉副教授ら現地の学術関係者らと交流を進めた。2012年11月には、木之内および大久保が、かつて大連航路の出航地であった北九州市の門司港にある北九州市国際友好図書館に赴き、所蔵する大連関係図書を調査閲覧し、旧大連学校同窓会資料の収蔵情況を調査した。 2013年3月9日には、東京外国語大学本郷サテライト校舎において「研究交流会 東アジア近代都市の文化マップ制作をめぐって」を開催し、日本大学文学部の松重充浩教授らによる私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「東アジアにおける都市形成プロセスの統合的把握とそのデジタル化をめぐる研究」グループと研究交流をおこない、各メンバーが本プロジェクトに関する成果の口頭発表をおこなった。 本課題に関連する作業として、一昨年末刊行され本課題のひな形となった上海歴史地図増補改訂版について、WEB上に「shanghai historical map」公開ページが完成し、閲覧が可能となった。これにならって、大連版においても、紙媒体による公開と同時にインターネット上での地図公開が見込まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内資料および現地での関連資料の収集は、当初の想定の範囲内で進んでいるが、この資料を用いた基礎的な資料のデータベース化の作業の進捗状況は、最終的に3000件程度と想定される大連・旅順地区についての基本項目の整備について、1500件程度の入力に止まっている。 また、作業プランの最終形態となる地図の図面自体についても、ほぼ完成に近づいている五千分の一図5幅、実地調査時に書き込み可能な調査用地図4幅という状況である。これも最終的には二十幅程度に達する全体の計画からすれば、その進捗状況はなおすみやかであるとはいえない。この点については、研究代表者による作図作業を、いっそう加速する必要がある。解説および関連年表の項目執筆には、進捗状況にかなりの遅れが生じている。現地調査活動自体に関しては、大連、旅順地区に関しては、おおむね予定の進度で調査が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
未完成の市街地西部の沙河口地区および西南部の旧星が浦地区について、これまでの現地調査をふまえた地図化の作業を進める。すでに一応の完成をみた大連東部の旧市街中心地一帯の地図につき、補充調査を実施し、文学史・文化史的な関連事項の充実を計る。 前年度に続いて、文献資料の調査とデータベースの整備拡充とともに、現地調査を各メンバーがそれぞれ一、二回程度実施する。文物保護単位などの現況調査を中心として、ポイント周辺の界隈性の把握、街並み景観・指定建築などの写真・ビデオ映像の撮影などを集中的に行う。大連市文物局による「登録不可移動文物」リストの発表をうけて、新たに発掘された登録文化財についての追加調査も実施する。また、この地に住む人々の生きた経験に学ぶべく、「場所の記憶」に関わる認知地図的な聞き取り調査も、可能な限りこれと並行して行いたい。 地図制作の技術的な側面では、大連で特徴的な地形の起伏表現についての表現手法を開発する必要がある。また、『上海歴史ガイドマップ』でも部分的に採用していた、立体的表示の本格的な導入を進める。 ウェブページ上での成果公開についても、上海歴史地図での方法を踏襲して準備をすすめていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者のひとりの海外出張期間が都合により当初予定より短縮され、旅費支出に残余が生じた。次年度研究費の主な使途である海外旅費に繰り入れて使用する予定である。
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Research Products
(13 results)