2012 Fiscal Year Research-status Report
日本現存朝鮮古刊本の調査とその語学的・書誌学的研究
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23520440
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
藤本 幸夫 麗澤大学, 言語研究センター, 客員教授 (70093458)
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Keywords | 東アジア / 印刷文化 / 活字印刷 / 木版 / 写本 / 訓読 / ハングル |
Research Abstract |
筆者は四十余年間、日本現存朝鮮本の調査及び研究にあたってきた。2006年2月に『日本現存朝鮮本研究 集部』(京都大学学術出版会)を出し、次に「史部」を出すべく、目下主として史部書を中心に調査及び研究を続けている。24年度には東洋文庫・国会図書館・東京大学付属図書館・京都大学付属図書館及び文学部を中心に実施した。筆者の調査は1部につき、28項目を確認し、従来にない詳細な記述を意図しているため、1通りの調査に比べると数倍の時間を要している。粗雑な調査は結局は役に立たないからである。 東洋文庫は朝鮮本を多量に所蔵しているが、その中でも史部書はかなりの割合を占めている。今年度の調査では約200部500冊を終えた。本国の韓国にもない資料がかなり存在している。 東京大学図書館はほとんど調査を終わっているが、史部書の未調査分及び調査不足分の補充調査を、約20部50冊について実施した。 京都大学付属図書館河合文庫本及び文学部図書室は、主として調査不足分の補充調査を、約30部80冊について実施した。 史部調査がかなり充実し、それは現在進行中の史部書入力にも大いに反映されている。国会図書館で再調査した『纂図互註周礼』は、韓国からの招待で研究発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はこれまで蒐集した資料の相互比較や対照、また三編の論文作成に重点を置いたため、調査に出かける機会が、やや少なかった。調査活動はやや低調であったが、研究自体はたゆまず進捗しており、おおむね順調に推移していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は上記の如く研究室内の研究に重点を置き、図書館訪問による調査はやや低調であった。しかし来年度は通常の如く訪書調査を活発に行い、十全の研究活動を行う予定である。 26年度には『日本現存朝鮮本研究 史部』を刊行の予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
26年度は東洋文庫・書陵部・静嘉堂文庫などの出張調査を予定しており、旅費に80万、書籍30万、物品20万、謝金20万を、ほぼ予定している。
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Research Products
(6 results)