2013 Fiscal Year Research-status Report
日本現存朝鮮古刊本の調査とその語学的・書誌学的研究
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23520440
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
藤本 幸夫 麗澤大学, 言語教育センター, 客員教授 (70093458)
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Keywords | 活字印刷 / 木版 / 文献学 / 東アジア / 朝鮮 / 目録学 / 訓読 / 漢文 |
Research Abstract |
筆者は四十余年間日本現存朝鮮本の調査及び研究に従事してきた。2006年2月に『日本現存朝鮮本研究 集部』(京都大学学術出版会)を刊行し、その後科学研究費基盤Cや研究成果公開促進費を得て、調査・研究と入力を続けてきた。この度史部3000部が完成し、来年度『日本現存朝鮮本研究 史部』を韓国東国大学で刊行の予定である。 25年度は東洋文庫・東京大学総合図書館・京都大学付属図書館及び文学部を中心に調査・研究を実施した。東洋文庫では約200部400冊を調査した。東京大学では未調査分及び確認25部50冊、京都大学では同様に30部60冊を調査した。 平成21-23年度麗澤大学で、日本及び韓国の代表的な訓読研究者を招いてシンポジウムを行ったが、26年秋その成果を単行本で刊行の予定である。 遼僧行均編『龍龕手龕』は、大蔵経の異体字を集めたもので、今日も極めて有用とされているが、この書の影印に文献学的論文を付して、26年度末に刊行の予定である。これまでの朝鮮本研究の成果について、25年11月学習院大学東洋文化研究所、26年1月国立国文学研究資料館の招待講演に招かれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査研究は順調に進んでいる。調査ではこれまで確認されていなかった朝鮮古本の発見もあり、韓国学中央研究院から招かれて、25年9月カリフォルニア大学バークレイ校で研究発表をした。これは26年度秋に刊行予定である。またこれまでの調査研究結果を入力した成果として、約200万字よりなる『日本現存朝鮮本研究 史部』を来年度刊行の予定であり、更に日本及び韓国で調査した結果を今秋『龍龕手鏡影印と研究』として出版の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度にはパリ東洋語学校の調査を行い、また国内では東洋文庫・書陵部・静嘉堂文庫の調査・研究の予定である。東洋文庫では史部50部ほど残っているが、これは今回の書に入れられないので、今後の補遺編に入れる予定である。 調査結果は整理・記述の上、入力しているが、今後は『日本現存朝鮮本研究 子部』の入力に取り掛かる。ここには訳学書や仏書をはじめとして、諺解本が多く含まれ、きわめて複雑な問題が横たわるが、これまでの経験を活かして克服する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
来年度に出版予定の『日本現存朝鮮本研究 史部』の原稿作成(約200万字)のため、自宅の作業が多かった。 6月末よりフランス調査、またその後、韓国調査、天理大学・東洋文庫調査に通う予定。
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Research Products
(10 results)