2011 Fiscal Year Research-status Report
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23520452
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 義裕 北海道大学, 大学院メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (40200761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
景山 弘幸 札幌大学, 外国語学部, 教授 (30258751)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 若者言説 / コミュニケーション / 消費化 / 情報化 / 拡張現実 / メタファー |
Research Abstract |
平成23年度における本研究の具体的内容とその意義について、理論研究の側面とデータの収集・分析などの経験的研究の側面に分けて述べ、さらに社会への還元を含む研究成果公開の試みについて報告する。 理論研究としては、二年目以降の調査研究の足場を固めるために、この十数年の間の若者の行動様式やコミュニケーション様式の変容を論じた最新の重要研究を集め、それらを批判的に検討した。とりわけ、宇野(2011)が現代社会のリアリティを論じる中で提案している「仮想現実から拡張現実へ」というテーゼについて、社会の消費化と情報化がゼロ年代に入り質的に変化して新たなステージに突入しているという仮説を立てて批判的に考察した。この成果の一部は、「<わたし>は記憶でつくられる―自伝的記憶をめぐるはなし―」というタイトルの論文としてまとめてThe Northern Reviewへ投稿した。 経験的な研究としては、研究分担者と協力の上、現代におけるメディアの若者言説をデータベース化するための資料として、この20年位の間に出版された若者をテーマにした著作を可能なかぎり網羅的に収集した。当初のスケジュールでは、これらをスキャンして文字認識を施し、コンピュータで可読可能な形にした上でデータベース化する作業を行う予定であったが、これについては作業が遅れて次年度へとずれ込むこととなった。 研究成果の公開に関しては、記憶・メタファー・若者コミュニケーションについての論文を1本まとめたほかに、公開講座(記憶・メタファー・若者コミュニケーションについて)と招待講演会(社会の変化と若者コミュニケーションの変容について)で当研究の成果の一部を社会へ向けてに公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究スケジュールは、若者の行動やコミュニケーションを扱ったメディアの記事や著作を収集しデータベース化することを中心に計画した。しかし、資料の収集は順調に進んでいるものの、データベース化の作業はやや遅れている。若者コミュニケーションについて、この十数年間の劇的な変化について書かれた重要な著作が、年度中に多く出版されたため、その議論の吟味および評価に多くの時間を費やしたのが遅れの理由である。計量的研究のための若者の行動やコミュニケーションを扱った著書は、すでに研究分担者と協力して十分な数を集めており、次年度はこれらをデータベース化する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
・平成23年度に予定していた「若者言説コーパス」を構築し、それを利用した計量的な分析を試みる。・若者の行動様式やコミュニケーション様式の実態を、主に文化の受容と消費に焦点を当てて探るため、国内外の若者文化のイベントなどでフィールドワークを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
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