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2013 Fiscal Year Research-status Report

継承沖縄語と大和沖縄語――談話構造とコミュニケーション方略の国際比較研究

Research Project

Project/Area Number 23520466
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

宮平 勝行  琉球大学, 法文学部, 教授 (10264467)

Keywords国際情報交換 / 継承沖縄語 / 相互行為助詞 / 会話分析
Research Abstract

Cambridge Scholars社から出版予定の琉球諸語に関する社会言語学の研究書(Language Crisis in the Ryukyus)に研究協力者のDr. Peter Petrucciとの共著で二編の論文を提出した。"Interactional particles sa and yo in talk-in-interaction in Okinawa"(「継承沖縄語に見られる相互行為助詞「さ」と「よ」」)では,相互行為助詞を用いた会話連鎖の組織化と参加の枠組みについて標準日本語の場合と比べて分析した。"Language preservation in a transactional context"(「越境的環境における言語保存」)は, 2010年にRomanitasという学会誌で発表した論文で,今回内容を刷新して提出したものである。ブラジル・サンパウロ市における継承沖縄語の言語維持活動について報告した。
10月24日から26日にかけて開催された第4回国際多文化ディスコース学会においては論文の口頭発表を行った。参加型のソーシャルメディアを用いた沖縄語普及活動に散見される言語イデオロギーについて論じた論文である。
その他,継承沖縄語で書かれたエッセイや脚本を広く収集し,複合文末形式「~しようね」のモダリティと対話機能について分析を進めた。資料が十分に整っていないこともあり,論文にまとめることはできなかったが,分析を続け今後論文にまとめる予定である。
また,昨年度米国ロサンゼルス在住の沖縄県民移民子弟を対象に実施した調査で得られた会話データのトランスクリプトを作成する作業にも取り組んだ。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

これまでの研究で基層言語(沖縄語)が現代の若者ことばにどのように影響を及ぼすのか,その一端が明らかになってきた。最も言語間転移が容易であると思われる相互行為助詞の用法も基層言語の影響が顕著に表れる言語現象のひとつで,本研究においてその多様な表出のあり方と会話運用上の固有性の一部が解明されつつある。また,こうした新出言語変種が伝統的な沖縄語の復興につながるかどうかについても考察を深めることができた。これらの点においては一定の成果が得られた。
しかしながら調査を進めていくにつれ,現代沖縄の若者ことばをその成員の視点から理解するには,ことばのモダリティ機能を分析する必要があることを痛感するようになった。こうした新しい研究の展開があったため,当初の計画よりも進行は遅れてしまった。モダリティに関する文献を通読し,会話分析の成果に加味することで当初目指していた談話構造とコミュニケーション方略の一端を明らかにすることができると考えている。
国際比較のための資料収集を加速させる必要もある。奄美語と標準日本語の混成語として知られているトン普通語の会話データや海外に移住した沖縄出身者の継承沖縄語の会話データを充実させる必要がある。継承沖縄語が現地の公用語からどのような影響を受けるのか,複数のオキナワン・ディアスポラの会話データを比較分析することによって今後その一端を明らかにしたい。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度は相互行為におけるモダリティの分析を深化させたい。現代の沖縄で頻繁に使われる複合発話末形式「~しようね」を取り上げ,基層言語(沖縄語)のモダリティ形式が現代に受け継がれている様子を記述し,談話の展開においてどのような機能を果たすのかを明らかにしたい。その上で沖縄の言語共同体独自のコミュニケーション方略について敷衍したいと考えている。研究結果は9月に沖縄県那覇市で開催予定の第18回国際危機言語学会で口頭発表する予定である。
本年度はブラジル・サンパウロ市およびカンポ・フランデ市においてフィールド調査を実施する。最も多くの沖縄県移民を擁するブラジルの2都市において自然会話の収集と聞き取り調査を実施する予定である。また,昨年実施できなかったハワイにおける同様のフィールド調査を機会をとらえて行いたいと考えている。収集したデータをもとにモダリティや相互行為助詞の用法および会話連鎖の仕組みや会話参加の組織化が具体的にどのようになされるのかを明らかにしたいと考えている。そして,これまでに沖縄県内や米国ロサンゼルスで収集した会話データと相互に比較対照することによって,継承沖縄語の談話構造とコミュニケーション方略について考察を深化させる。
このような分析を可能にするためには収集した会話データに基づいたトランスクリプトが欠かせない。膨大な時間を要するトランスクリプト作成を引き続き進める。会話データの収集にあたってはポッドキャストやインターネット・ラジオ,YouTubeなどのソーシャルメディアも活用する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

購入した物品の精算額が正確に把握できなかった。
研究書購入に充てる予定。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 2013

All Presentation (1 results) Book (2 results)

  • [Presentation] “Framing and reframing pirin paran katayabira online: The construction of Okinawan and Japanese language ideologies on the participatory web”2013

    • Author(s)
      Peter Petrucci and Katsuyuki Miyahira
    • Organizer
      The Fourth International Conference on Multicultural Discourses
    • Place of Presentation
      Hangzhou, China
    • Year and Date
      20131024-20131026
  • [Book] "Interactional Particles sa and yo in Talk-in-interaction in Okinawa." Language Crisis in the Ryukyus2015

    • Author(s)
      Katsuyuki Miyahira & Peter Petrucci
    • Total Pages
      21
    • Publisher
      Cambridge Scholars
  • [Book] "Language Preservation in a Transnational context: Community efforts to maintain Uchinaaguchi in Sao Paulo." Language Crisis in the Ryukyus2015

    • Author(s)
      Peter Petrucci & Katsuyuki Miyahira
    • Total Pages
      20
    • Publisher
      Cambridge Scholars

URL: 

Published: 2015-05-28  

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