2016 Fiscal Year Annual Research Report
Heritage Okinawan language and Japanese Okinawan: A comparative analysis of discourse structure and communication strategies
Project/Area Number |
23520466
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮平 勝行 琉球大学, 法文学部, 教授 (10264467)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2017-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 継承沖縄語 / 会話分析 / コミュニケーション方略 |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄語と日本語の言語接触によって今日の沖縄ことばで特異な表現形式として用いられる発話末尾の「しようね」について,モダリティ論と相互行為分析の視点から分析し,論文を発表した。平成26年9月に世界危機言語学会で口頭発表した論考を深化させ,標準語の「しよう」との相違を動作主が話し手の場合,話し手と聞き手の場合,聞き手の場合に分けて分析した。標準語で意志・勧誘表現として用いられる「しよう」が沖縄語では概ね「しようね」に推移していることを示し,沖縄語の「しよう」は要求を,「しようね」は希望を表すこともあることを資料をもとに示した。言語接触がもたらしたひとつの具体的なモダリティ方略として論じた。 次に,平成27年度末にJournal of World Languagesに提出した共著の論文を査読者のコメントをもとに推敲し出版するに至った。沖縄語学習講座がYouTubeという世界共通のプラットフォームで公開されることによって,「沖縄語は方言か,それとも言語か」という論争が再文脈化される様子を考察した。沖縄語の再活性化をめぐるこの言語イデオロギーの問題について,世界の危機言語に照らしながら,ビデオ学習教材のマルチモーダル分析と視聴者の文字コメントもとに分析した。 さらに,標準語と沖縄語が現在の沖縄の繁華街でどのように併用されているか調査した。文字による言語景観をもとに言語接触という視点から考察し,年報『ことばと社会』に提出した。沖縄の観光名所となっている平和通りと牧志公設市場において,沖縄語がどのように「商品化」されているのかを分析し,少数言語の再活性化という視点からその功罪を論じた。
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Research Products
(4 results)