• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

インドネシア国スラウェシ島の絶滅危機言語の多面的記述と言語データのアーカイブ化

Research Project

Project/Area Number 23520526
Research InstitutionMeisei University

Principal Investigator

内海 敦子  明星大学, 人文学部, 准教授 (70431880)

Keywords記述言語学 / アーカイブ化 / トンサワン語 / タラウド語 / バンティック語 / オーストロネシア言語学
Research Abstract

研究題目は「インドネシア国スラウェシ島の絶滅危機言語の多面的記述と言語データのアーカイブ化」である。平成25年度は、音声データの整理とともに、「情報構造」分野の研究に力を入れた。「情報構造」に関する研究会は、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所のプロジェクトとして開催しているが、そこで情報収集および成果発表を行った。
その他、4月から7月にかけて、24年度に調査を行って得た音声データと形態論・統語論分野のデータを分析した。その成果を5月の東南アジア言語学会(23rd Southeast Asian Linguistics Society)にてタラウド語の動詞のパラダイムについて発表し、6月のインドネシア・マレー語国際シンポジウム(17th International Symposium on Malay/Indonesian Languages)にてインドネシア語マナド方言の書き言葉について発表した。
8月は、バリ島にて、インドネシアにおける記述言語学のワークショップの講師として、インドネシアの言語記述をすすめていくためのノウハウを伝授し、将来の言語情報のアーカイブ化につなげた。また、トンサワン語とバンティック語の現地調査を行った。
12月には、茨城県大洗町にあるインドネシア語マナド方言のコミュニティを訪問し、マナド出身のHendrik Paat教授の助力を得て、マナド方言の談話資料収集を行った。
平成26年2月は、トンサワン語の現地調査を行った。これらの時期も常に、データの整理と分析を行った。2月後半にはオーストラリア、La Trobe大学の研究員で、当研究の連携研究員であるDr. Anthony Jukes氏に新しく得た大量の言語データ(音声資料、映像資料、文字資料)を渡してLa Trobe大学のアーカイブにアップロードしてもらうよう要請した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

おおむね順調に進展している。
バンティック語とトンサワン語に関しては、アーカイブ化に耐えうる、高音質の音声データおよび映像データを多数収集した。この中には、タラウド語の方言に関するデータも含まれる。タラウド語は、平成25年度に調査した7地点に加え、5地点を新たに調査し、音声と映像の両方のデータで記録した。新しく付け加えた地点はKarakelang島のEsang, Beoその他合計五カ所から250語程度収集した。これらのデータは今まで調査されたことがなかったため、大変貴重である。
トンサワン語は、形態統語論の調査を進めた。同時に、トンサワン語の歴史や民話を収集し、歴史的な事実に関係ある場所で、民族が重要視している歴史を語ってもらうなど、貴重な映像資料・音声資料を収集した。
バンティック語に関しては、談話データを集中的に集め、その書き取りおよび注釈付けのため、調査協力者とのセッションを行った。
オーストラリアのLa Trobe大学研究員であり、当研究の連携研究員であるDr. Anthony Jukes氏には、平成25年度に収集した大量の資料をわたし、さらなるアーカイブ化を依頼した。
平成25年度は、私が主催する参加する「通言語的視点から見たオーストロネシア諸語の情報構造」研究会(於東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)において、2回の口頭発表を行い、東南アジア言語学会とマレー・インドネシア言語シンポジウムにおいて口頭発表を行った。これにより、多くの近接分野の研究者のコメントを得て、研究を進展させることができた。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度の研究は、本研究課題のとりまとめとして、以下の項目に力を注いでいく。第一に、タラウド語の方言データが12カ所分得られているので、このデータを音声と文字の両方で整理し、言語地図を作成し、それをアーカイブ化する。タラウド語の方言はほとんど調査されていないので、貴重な資料である。また、タラウド語の西隣のサギル諸島で話されているサギル語は方言調査をまとめた資料がすでにあるが、アクセスが難しいので、言語地図をアーカイブ化していく。
第二に、タラウド語の統語論に関する調査を完成させ、さらに談話資料を集める。
第三に、平成25年度に得られたトンサワン語のデータを分析し、形態論と統語論の分野の調査をさらに進める。また、民話や歌などの民俗データは平成25年度にある程度収集したが、調査対象地域を広げて、さらに映像データと音声データを収集する。
第四に、これまでのデータを分析したものを、口頭発表および論文の形での発表を行う。タラウド語の方言については、地域を広げて調査したものをまとめて口頭発表をしたあと、論文にまとめる。またバンティック語を中心に「情報構造」の観点からプラグマティックスの観点から分析をすすめ、口頭発表と論文執筆を行う。トンサワン語については基本的な動詞の活用パターンなどがつかめたので、それを論文にまとめる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

予定外の調査を行う事になったため、100,000円の前倒し請求を行ったが、調査費用が予定より少額だったため、次年度に繰り越すことになった。
茨城県大洗町でのマナド方言調査のための旅費として使用する。

  • Research Products

    (7 results)

All 2014 2013

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 代名詞touの用法:Bantik語における情報構造表示の一例2014

    • Author(s)
      内海敦子
    • Journal Title

      明星大学研究紀要-人文学部-日本文化学科

      Volume: 22 Pages: 361-380

  • [Journal Article] 「インドネシア語マナド方言の書記方法」2013

    • Author(s)
      内海敦子
    • Journal Title

      『インドネシア 言語と文化』

      Volume: 19 Pages: 21-32

  • [Journal Article] The System of Tense and Aspect in the Bantik Language2013

    • Author(s)
      内海敦子
    • Journal Title

      NUSA: Linguistic studies of languages in and around Indonesia

      Volume: 55 Pages: 219-237

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Newly introduced NPs, continuous topics, and contrastive topics in Bantik discourse2013

    • Author(s)
      Atsuko UTSUMI
    • Organizer
      オーストロネシア諸語の情報構造に関する国際ワークショップ
    • Place of Presentation
      東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所
    • Year and Date
      20131213-20131215
  • [Presentation] Preliminary Survey of Talaud Dialectal Differences2013

    • Author(s)
      Atuko UTSUMI
    • Organizer
      第一回 日本地理言語学会
    • Place of Presentation
      青山学院大学
    • Year and Date
      20130614-20130614
  • [Presentation] An Attempt to `Write' a Vernacular Variety: Written Manado Malay in Advertising, Pop Songs, and Social Networking2013

    • Author(s)
      Atsuko UTSUMI and Anthony Jukes
    • Organizer
      International Symposium on Malay/Indonesian Languages
    • Place of Presentation
      Universitas Bung Hatta, Padang
    • Year and Date
      20130608-20130609
  • [Presentation] Morphology and Semantics of Basic Verbs in the Talaud Language2013

    • Author(s)
      Atsuko UTSUMI
    • Organizer
      23rd Southeast Asian Linguistics Society
    • Place of Presentation
      (Chulalongkorn University, Bangkok
    • Year and Date
      20130529-20130531

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi