2012 Fiscal Year Research-status Report
日本資料を視野に入れた二十世紀香港粤語の総合的研究
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23520531
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Research Institution | Aichi Toho University |
Principal Investigator |
竹越 美奈子 愛知東邦大学, 経営学部, 准教授 (50340401)
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Keywords | 国際情報交換(中国、台湾、香港) / 粤語 / 中国語歴史文法 / 文献目録 / 中国語学 / 中国語方言 / 広東語 / 早期粤語 |
Research Abstract |
平成24年度の主な課題は以下の2点であった。 1)日本資料・西洋資料・香港資料に記述された二十世紀香港粤語の整理 2)上記資料に反映された二十世紀香港粤語の総括 1)については、ハーバード大学図書館(平成24年9月)、ニューヨーク公立図書館(同9月)、台湾中央研究院図書館(平成25年2月)、シンガポール国立大学図書館(同3月)などで資料収集を行い、そこで得られた結果を愛知東邦大学ホームページで公開中の拙著『早期粤語文献資料(稿)』に加筆修正して、世界中の研究者が最新版をダウンロードできるようにした。この目録は、資料の所在を明記したものとして世界的に意義があると自負しており、目録の更新は計画通り進んでいる。 2)については、学術論文「早期粤語資料の文体考 」『太田斎・古屋昭弘両教授還暦記念中国語学論集』pp.332-341.好文出版所収。(平成25年3月)を発表するとともに、6本の研究ノート(「十九世紀の広東語(1)“的”」『KOTONOHA』No.114、「十九世紀の広東語(2)“個”」同No.115、「十九世紀の広東語(3)続“個”」同No.116、「十九世紀の広東語(4)Yes-No疑問文」同No.117、「十九世紀の広東語(5)“在”」同No.118、「十九世紀の広東語(6)選択疑問文のマーカー」同No.120)を発表した。以上の研究ノートは近いうちに早期粤語の概説書としてまとめる予定である。これには、従来各研究者が別個に研究してきた各論を総括するという意義があり、計画とおり進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は以下の3点であった。 1)日本資料の整理と紹介 2)西洋資料、日本資料、香港資料の総括 3)二十世紀香港粤語の総合的な研究 このうち、1)と2)については、継続的に資料収集と目録の更新を行っており、おおむね順調に進展している。 3)については平成24年度に6本の研究ノートを発表し、次年度にはこれをまとめて総合的な研究として発表する予定であり、おおむね順調に進展していると言えよう。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、最終年度であり、当初の計画通り、これまでの研究成果をまとめて、通時的研究の一環として二十世紀香港粤語の変化の過程を総括し、国内外の学会で積極的に発表する。文献目録および研究成果報告書は英文か中文で作成して国内外に公開する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本課題は国内のみならず国外でも関心の高いテーマであるため、国際学会で発表することが不可欠である。本年度は以下の学会での口頭発表を予定しており、したがって旅費交通費が大きな割合を占める。 国内学会:現代中国語の歴史的研究ワークショップ(2013.7.6-7.7 琉球大学)、日本中国語学会全国大会(2013.10 東京外国語大学) 国際学会:第13回国際中国言語学会年次総会(2013.6.7-6.9 台湾師範大学)、第18回国際粤方言研討会(2013.12 香港科技大学)
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Research Products
(8 results)