2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本資料を視野に入れた二十世紀香港粤語の総合的研究
Project/Area Number |
23520531
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Research Institution | Aichi Toho University |
Principal Investigator |
竹越 美奈子 愛知東邦大学, 経営学部, 准教授 (50340401)
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Keywords | 中国語学 / 中国語方言 / 粤語・広東語 / 19世紀粤語 / 20世紀粤語 / 早期粤語 |
Research Abstract |
研究期間(平成23年度、24年度、25年度)全体を通じて、早期粤語(19世紀~20世紀に香港などで話された粤語。粤語は中国語の主要な方言のひとつ)の歴史研究に従事した。 平成23年度には、研究期間以前の研究に新たな知見を加えて、国際的なワークショップで口頭発表をした。(「論二十世紀前半葉日本粤語資料中的粤語語法(二十世紀初頭日本粤語資料の粤語語法」,Workshop on Early Cantonese Grammar(早期粤語文法に関するワークショップ), 香港科技大学)これにより、日本における粤語研究を国外に紹介するとともに、海外の研究者との学術交流をすることができた。 24年度には、国内の学術雑誌に19世紀の広東語文法についての連載をして、これまでの自身の研究および国内外の研究成果を広く一般の研究者に向けて発信した。(「十九世紀の広東語(1)ー(6)」『KOTONOHA』114-120,『KOTONOHA単刊No.6』に再録)これにより、粤語研究者以外にも近代粤語の歴史を網羅的に紹介することができた。このような研究を進める中で、近代中国語の研究における文体の重要性に関心をもつに至り、このテーマにおける論文「早期粤語資料の文体考」(『太田斎・古屋昭弘両教授還暦記念中国語学論集』pp.332-341.東京:好文出版)を発表した。 これを発展させて、25年度には、国際学界での口頭発表(「早期粤語語料中的双層語言現象(早期粤語資料に見られるダイグロシア現象)」,第21回国際中国語言学学会年次総会(IACL-21),台湾師範大学)および国内全国大会でのポスター発表(「十九世紀広東知識人の話しことば」第63回日本中国語学会全国大会,東京外国語大学)で国内外の研究者から貴重な意見をいただいた。現在、このテーマでの論文を執筆中である。
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