2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23520545
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
MARK Irwin 山形大学, 人文学部, 准教授 (40361240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VANCE Timothy 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60581387)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 連濁 |
Research Abstract |
方言によって連濁を受けやすいものがあるか、標準日本語で連濁を受けないものが特定方言で連濁を受けることがあるか、標準日本語における「連濁嫌い/連濁好き」の分類、特定方言に当てはまるか、標準日本語において見られる「連濁嫌い/連濁好き」を含む連濁の免疫パターンは特定方言の地理空間的伝播の産物と言えるか、その場合伝播のプロセスはどのようなものであったか、日本語の様々な地域方言は連濁に関して言語学的地域上のまとまりに対応するか、その場合言語学的地域の相互関係はどのようなものになるか、などのような問題に答えを探ってみる本研究の目的の中で、当該年度の目的は宮崎市の現地調査でした。連濁に関して地理的な外因からの影響を受けにくいから、一般大学生を対象にするよりも、より下位の社会経済グループに属する宮崎市方言話者の12人が被験者にした。調査は、2011年12月14日と15日に宮崎公立大学と宮崎市萩原公民館で実施されました。被験者全員が宮崎市あるいはその周辺の出身で、うち8人女性、4人男性、平均年齢51歳(26歳~80歳)。調査は27個の例文から構成されて、例文の中に連濁を受けない単語、連濁好きな単語、連濁嫌いな単語や連濁可能性のあるものとない複合語が合計32語が入った。音声ファイルをスプレッドシートに入力し、統計ソフトで処理したのは、2012年1月~2月でした。初期分析としては、標準日本語と相当違う連濁率を示している語は「左利き」、「形作る」、「焼け死に」等がいくつかあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該研究が順調通りに進んでいます。研究プロジェクトの一年目(2011年度)のゴールは次の通りでした。(1)連濁アンケート作成、(2)宮崎県現地調査のサイトセレクション、(3)宮崎県現地調査実施、(4)二年目(2012年度)に行われる山形県県現地調査のサイトセレクション、(5)宮崎県現地調査分析とデータ入力。(1)は2011年8月ごろ完成、(2)は2011年9月決定、(3)は2011年12月実施、(4)2012年2月決定され、結果として2012年6月に河北町実施する予定、(5)は2012年3月完成されました。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに勧めたいと思う。2012年度の予定は次の通りです:(1)山形県現地調査実施、(2)山形県現地調査分析とデータ入力、(3)愛媛県現地調査実施、(4)愛媛県現地調査分析とデータ入力、(5)3年目(2013年度)に行われる近畿地方現地調査のサイトセレクション。(1)は2012年6月河北町で実施される予定、(2)は2012年8~9月実施される予定、(3)は2012年6月松山市で分担者に実施される予定、(4)は2012年8~9月に分担者に実施される予定、(5)は2012年11~12月決定される予定です。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年5月に山形市で、6月に愛媛で今年度と同様な内容の現地調査を実施する予定である。後者の現地調査は分担者が実施する。スプレッドシートに入力し、統計ソフトで処理したら、以下の6点の解明を重点的な分析目的とする:(a)異なる方言間での特定語彙の連濁免疫レベル、(b)異なる方言間での「連濁好き・連濁嫌い」の変異、(c)免疫度のパターン、「好き・嫌い」の伝播、地域、将来的な変化の可能性、(d)そのような伝播における誘発要因と変化のプロセス、(e)連濁の免疫度、連濁好き・嫌いに関する言語学的地域の実在の有無、(f)そのような言語学的地域の相互関与。
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