2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520572
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
柏野 和佳子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語資源研究系, 准教授 (50311147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 直子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (00199936)
木田 真理 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (80401727)
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Keywords | 辞書 / コーパス / 語彙 / 意味 / 位相 |
Research Abstract |
『岩波国語辞典』に「古語的」と注記がついている15語と,「古風」と注記がついている145語を調査対象語に選定し,現行の国語辞典5種の記述を調査した。そして,『現代日本語書き言葉均衡コーパス』に収録される図書館サブコーパスの使用頻度調査と用例分析とを行った。「古風な語」の使用を,(1)古典の引用,(2)古い文体,(3)時代・歴史小説,(4)現代文脈,に4分類する辞書記述方法を提案し,実際に記述を行った。その結果,文体的特徴や用例を辞書に記述することは,作文や日本語学習などのさまざまな用途に対する情報量を増やし,その利用価値を高めることを明らかにした。その成果を論文誌に投稿中である。 また,アカデミック・ライティング指導において文体差の指導が必要となる語の分析を最終年度にさらに進めた。丸山を中心に,「台湾人日本語学習者の誤用調査」「母語話者である大学生のレポートの語彙調査」「書き言葉と話し言葉の助詞の分布の分析」を行った。ここから,例えば「得た」とすべきところを「もらった」とするような誤りや,「だいぶ,たくさん,たまに,結構,案外」などのくだけた副詞をレポートで多用するなどの問題点を抽出した。 さらに,木田・柏野は,大学院の修士課程で学ぶ留学生が授業における課題やレポートとして書いた文章から,文体差の指導が必要なものを抽出し,文体差の修正を要する語の代表例を『現代日本語書き言葉均衡コーパス』で分析した。それにより,コーパスの分析結果が示す使用実態は,日本語教師にとっても,学習者にとっても文体差の修正が必要とされる度合いの手がかりとなる有益な情報であることを明らかにした。その成果を『第5回コーパス日本語学ワークショップ』(国立国語研究所,2014年3月7日)で口頭発表した。
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Research Products
(1 results)