2013 Fiscal Year Research-status Report
パーソナル・テリトリーとポライトネス・ストラテジーに関する日韓中対照研究
Project/Area Number |
23520610
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
許 明子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10322611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関崎 博紀 筑波大学, 人文社会系, 助教 (30512850)
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Keywords | パーソナル・テリトリー / 発話スタイル / コミュニケーション / 日韓中対照研究 |
Research Abstract |
日本語母語話者と韓国人・中国人日本語学習者を対象に、親疎関係が明確な相手(初対面同年代)と会話を行う際に、パーソナル・テリトリーに関する内容をどのように言及するかについて会話調査を行った。また、会話調査の後、相手との会話について不快感を覚えたかどうか、会話の進行についてどのように感じたかなど言語表現にかかわる発想についてフォローアップ・インタビューを行った。その結果、日本語母語話者と日本語学習者の間にはコミュニケーション・スタイルや発話内容に違いが存在していることが分かった。 日本語母語話者は韓国人・中国人学習者と会話を行う際に結論を先取りして会話の進行役を勤めることが多く、韓国人学習者・中国人学習者は会話の話題を提案し、意見を述べる発話スタイルが多いことが分かった。日本語母語話者はパーソナル・テリトリーに関する発話を回避するために積極的な話題提供を避けているのに対して、日本語学習者は相手との親密感を表すために積極的にパーソナル・テリトリーに関わる内容に言及していることが分かった。パーソナル・テリトリーに関する認識と発話内容およびコミュニケーション・スタイルは密接な関係を持っており、日韓中で相違点が存在していることが明らかになった。 研究成果の発表として、韓国日本語学会(2013年9月)およびAmerican Association of Teacher of Japanese(2014年3月27日)において研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は本研究課題の最終年度であり研究成果を報告書としてまとめる予定であったが、学会などで研究発表しフィードバックとして得られたコメントを参考に追加分析を行っているため、研究成果報告書の発表がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は会話調査で得られた音声データを文字化し、データ分析を行うとともに、フォローアップ・インタビューで明らかになった発話に関する意識についてさらに分析を行う予定である。相手に不快感を与える発話内容および発話スタイルについて日韓中対照研究の手法を取り入れて分析を続ける予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究成果発表としてAmerican Association of Teachers of Japaneseで研究発表を行ったが、日本帰着日が平成26年4月1日となり、年度をまたがったので研究期間を1年延長し、研究成果報告書を平成26年度に刊行することにしたため。 未使用額は研究成果報告書の刊行および研究発表の旅費にあてる。
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Research Products
(3 results)