2014 Fiscal Year Research-status Report
第二言語の創造的発話産出に関わる心理言語的要因の研究
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23520630
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
稲葉 みどり 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50273298)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 第一言語発達 / 第二言語発達 / 物語文 / 接続表現 / frog story |
Outline of Annual Research Achievements |
第一言語のデータ分析を継続した。昨年度は、3、4歳児の接続表現に着目して発達の過程の分析(宮田&稲葉,2014)を進めた。その結果、Berman & Slobin(1994)の主張する語彙から統語へというような明確な発達は検証できなかった。この点を検証するには、5歳児以降の発達、そして成人のこの物語における使用の実態を調査する必要があると考え、5歳児~11歳児、及び、成人の接続表現の発達についてのデータの分析を行った。そして、1)連結表現の発達は全体構造の発達と相まって使用頻度と種類が増加しているか、2) 形式面では語彙的連結から統語的連結へのシフトがあるか、3) 意味面では時間的連結から論理的連結(因果的・逆接的)へのシフトがあるか、という3点を中心に、5歳児以降の発達過程についての分析を行った。結果は、年齢毎に分けて論文として執筆中である。第二言語発達についても、接続表現の発達の分析に着手した。データベースのコーディングを行い、一部の数量的な結果が得られた。 以上の他にデータベースの整備を昨年度に続いて行った。録音資料の音声とテキストが一致しているかどうか、テキストの表記が統一されているかどうか。コーディングが正しく行われているかどうか等を点検した。データベースは、ローマ字、仮名表記の両方を用いているため、仮名表記においては、漢字、ひらがな、カタカナ等の表記の不統一な箇所がみられたので、統一した。特にコーディングに関しては、査定者によるゆれを配慮して複数名でコーディングを行い、一致の割合を基に、再検討して修正を加えた。この作業今後も継続的に行い、コーディングの妥当性をさらに上げていく必要があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の目的の達成度は今のところ6割ぐらいである。データベースの整備とコーディング作業には、時間がかかった。理由は、言語の分類分けを慎重にコーディングを進めなけばならないからである。また、複数に研究者によりコーディングをおこない、精度を上げている。分析は進んでいるが、成果の出版には時間がかかっている。その意味ではやや遅れているという評価をした。しかし、研究の深さや幅は広がっていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、物語文の発達の研究をさらに進める予定である。第一言語発達の分野では、今年度の継続課題として、接続表現の発達の研究をさらに進める。第二言語発達についても、接続表現の発達の分析を進める予定である。さらにコーディングを進め、第一言語と類似の観点から考察を進める予定である。最終的には、第一言語発達と第二言語発達の相違点と類似点を明らかにする。今年度は、研究のまとめとして、学会発表や報告書の作成を通じて成果を公表する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、物品の購入価格が予定より安価だったこと、予定していたプリンターの購入、及び、研究発表のために必要な資料作成を平成27年度に延期したこと、今年度応募した学会の開催が平成27年度中に行われることなどにより、繰り越しする予算が生じたことを付記する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の計画としては、研究のために資料調査、学会発表、論文発表、及び、総括としての報告書の作成を予定している。予算は、プリンター、データ保存メディア、アプリケーションソフト等の物品費、学会、調査のための国内、海外旅費、データ整理補助等の人件費・謝金等に使用する予定である。
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Research Products
(18 results)