2012 Fiscal Year Research-status Report
映像作品を利用した日本語教育の体系化と授業デザインの研究
Project/Area Number |
23520646
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
保坂 敏子 日本大学, 総合科学研究所, 准教授 (00409137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三隅 友子 徳島大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20325244)
門脇 薫 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (40346581)
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Keywords | メディアの利用研究 / 映像作品(映画・ドラマ・アニメ) / 授業デザイン / 体系化 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究の目的は、真正性の高い日本文化や日本語の学習リソースとして国内外の教師や学習者に期待されている日本の映画・ドラマ・アニメなどの映像作品の教育利用について (1) 外国語教育における先行研究や国内外の日本語教育現場の実践例を収集し、多面的な分析と考察を通して理論的・実践的に体系化を図ること、(2)それを基に、様々な目的に応じた授業デザインを試みて実践的な検証を行い、映像作品を利用した多様な日本語教育の可能性を究明することの2点である。 平成24年度は、平成23年度から引き続き体系化のための調査を行うと同時に、集めたデータの分析と体系化の検討に取り組んだ。継続して行った調査は、(1)国内・海外の映像作品を利用した日本語を含む外国語教育の調査(文献・教材・実践例の調査、学会等での情報収集)、(2)授業実践による調査研究、(3)授業での映像作品の利用に関わる著作権の調査である。収集したデータの分析と体系化については、「話し言葉」「文化」「構成主義」「メディアリテラシー」「文献」の各班に分かれて検討を進めた。話し言葉班とメディアリテラシー班は、外国語教育における映像作品利用の意義の検討し、教育目標のタキソノミー(Bloom 1956)を参考に授業デザインの分類の枠組みを検討した。文化班と構成主義班では実践的な研究を踏まえた体系化を検討した。文献班では収集した文献から実践例の抽出と分類を検討した。「著作権」については著作権班が教育利用に係る情報を収集した。さらに、調査検討を踏まえた授業実践も試みた。また、平成23年度に行った調査について、国際学会等で発表を行った。 平成25年度は、今年度の検討結果をまとめ、目的に応じた授業デザインの開発と蓄積を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,前述した(1)(2)の目的を達成するために,平成23年度~平成25年度の各年度にそれぞれ以下の目標を設定している。 平成23年度:外国語教育における先行研究の調査と実践例の収集、著作権の調査 平成24年度:先行研究と実践例の分析と体系化 平成25年度:多様な授業デザインの開発と蓄積、成果の公開 平成24年度の目標は、当初は研究目的(1)の後半部分にあたる先行研究と実践例などの調査データの分析と体系化であったが、平成23年度に実施した研究目的(1)の前半部分に当たる先行研究や実践例の調査も継続的に実施する必要性があったので、同時進行で進めた。このため、調査データの分析と体系化を終了するところまで至らなかった。また、平成24年度にまとめる予定だった文献リストの報告書も継続課題となった。よって、平成23年度の研究目標はやや遅れている状態だと言える。 ただ、平成25年度の後半を主に研究成果のまとめと公開にあて、スケジュールに余裕を持たせていたので、平成25年度前半に早急に体系化の作業を終わらせることで調整ができ、平成25年度末までに全体計画を十分に遂行できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の目標は「目的別授業デザインの開発と蓄積、成果の公開」である。 平成24年に残った作業を含め、以下の(1)~(4)のとおり、班ごとに分かれて研究を進めていく計画である。 (1)過去2年間に収集した文献や実践例のデータの分析とまとめ(担当:主に「文献」「著作権」) / (2)映像作品の授業利用の体系化、授業デザインの枠組みの構築(担当:「話し言葉」「文化」「メディアリテラシー」「構成主義」) / (3)授業デザインの開発と蓄積(担当:「話し言葉」「文化」「メディアリテラシー」「構成主義」) / (4)研究成果の公開(報告書、学会発表) (1)~(3)については各班に分かれて検討し、作業を進める。その結果を共有し、研究のまとめに向かうために9月に研究メンバーで研究会を開催する。そこでの協議を基に、本プロジェクトの成果をまとめて、年度末に報告書を作成する。また、平成23年度と24年度の研究の成果を9月5日~7日に開催される第17回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム(マドリッド)等、国内外の学会で報告する予定である。 今年度の研究メンバーとその役割は以下のとおりである。 <研究代表者> 保坂敏子(日本大学):研究の総括、体系化(メディア・リテラシー担当)、研究成果の発表 <研究分担者> Gehrtz 三隅友子(徳島大学):体系化(構成主義担当)、研究成果の発表/ 門脇 薫(摂南大学):体系化(文化担当)、研究成果の発表 <連携研究者> 長谷川恒雄(慶應義塾大学名誉教授):体系化(話し言葉担当)、著作権調査 <研究協力者> 奥原淳子/塩崎紀子/草野宗子(早稲田大学):文献調査の分析(奥原)、話し言葉体系化(塩崎)、著作権(草野)
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度研究費のうち671,284円が次年度に繰越となった。主な理由としては、保坂と三隅が研究成果を発表することになっていた国際フォーラム(中日国交正常化40周年・中韓国交正常化20周年記念 第五回 中・日・韓日本言語文化研究国際フォーラム 於:大連大学)が中止になったこと、その他海外で予定していた発表を国内で行われる国際学会での発表に切り替えたことが挙げられる。また、収集した資料が費用のかからない論文などが多かったことも一因である。平成25年度は、繰越分と併せて,以下のとおり研究費を使用する予定である。 <物品費:図書費、消耗品> 授業デザインに必要な映像作品(DVD)の購入/研究遂行に必要な文房具やインクカートリッジなどの購入 <国内旅費> 平成25年9月に実施する研究会(東京)への参加(分担者)/日本語教育学会春季大会などへの参加 <海外旅費> 中国、ヨーロッパでの研究発表(代表、分担者、協力者) <謝金> 海外の専門家による映像利用の実態に関する講演/著作権に関する専門的知識の供与 <その他> 報告書の作成と配布(印刷費・郵送費)
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Research Products
(10 results)