2013 Fiscal Year Research-status Report
英語リスニングが苦手な学習者への高周波音域弁別訓練:行動分析学的検証と教授法構築
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23520752
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
東矢 光代 琉球大学, 法文学部, 教授 (00295289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞邉 一近 日本大学, その他の研究科, 教授 (80209676)
石津 希代子 聖隷クリストファー大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10446180)
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Keywords | 高周波音声 / 英語リスニング / カテゴリー知覚 / 行動分析学 |
Research Abstract |
3年目であるH25年度は、H23年度に調査・収集した「高周波音声」に着目した市販教材の内、「奇跡の音:8000Hzセラピー」の効果に着目し調査した。同教材はCD音源を同梱したテキスト教材であり、ストーリー形式の英語会話が「オリジナル」「4000Hz強調」「8000Hz強調」の3種類で録音されたものを1日30分以上、継続して14日以上聞き続ける形式である。この教材の示唆と、前年度に調査したバイオリスニングの加工音声特徴を鑑み、卒業論文指導学生と共同で、Graded Readers教材音声を1日20分程度、ウォークマンとEtymotic Research社製高性能イヤホン(ER-4S)で継続して聞く効果を、オリジナル音声と8000Hz強調音声のグループで比較した。結果は2種類の音声で有意差が見られず、今後8000Hzまたは4000Hz の、強調ではなくLow-cut音声でさらに効果を比較する必要性、そしてより長い学習期間でのリスニングへの効果を探る必要性が見えてきた。12月には早稲田大学で行なわれたAutomatization in Real-Time Comprehension and Production in conjunction with The 15th Korea-Japan Workshop on Linguistics and Language Processingに参加し、今までの成果を英語で口頭発表した。また次年度(H26年8月)にブリスベンで開催される応用言語学国際大会(AILA 2014)でのポスター発表に応募し、受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はイコライザーを購入し、音声加工の精度を増すことができるようになった。また学習ツールとして、ウォークマンと高性能イヤホンをセットとして、その中身の音声をこちらで加工方法を変えて準備することで、具体的な学習スタイルがほぼ確立したことが最大の成果であった。中に入れる音声の選択、加工の方法、学習期間の長さの確定は次年度に持ち越されたが、道筋がより明確になったといえる。また成果の一部が応用言語学国際大会(AILA2014)のポスター発表にも受理されたことから、おおむね順調に進展している、と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度に引き続き、高周波音声を聞くことの効果を、少人数のリスニングが苦手な学習者に対して検証する作業を進める。まず、音声加工の方法について「高周波音域強調」と「高周波音域パス音声(すなわちLow-cut)」のどちらが、リスニング訓練にとって効果的なのか、その違いについてのデータを収集する。その際には、学習者の音声弁別能力特性を測定しておくようにする。より効果的な音声加工方法が定まったところで、収集するデータ数を増やし、結果をより科学的、強固なものにしていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度により機材を揃えるつもりであったが、検討し直した結果、その購入を控えて持ち越していることが挙げられる。(その繰越が残っている。)現在のところ、学習に使用する機材の検討に時間を要してきたため、資金を繰り越して、本当に使用できる教材の機材が確定した段階で使用したい、という希望があった。H25年度はその検討に一応の結果が見られたので、H26年度に実験のための機材の個数を増やして購入したい。 H26年度は、H25年度にほぼ確定した高性能イヤホンの個数を増やし、実験を継続する。そのほか、8月にブリスベンで開催される応用言語学国際大会(AILA2014)でのポスター発表に関する旅費が、大きな割合を占める。また、沖縄や東京での打ち合わせと作業のための旅費も支出する。高周波音声によるリスニング向上に触れている教材は昨今また新しいものが散見されるため、必要な場合は、調査目的で購入する他、先に述べた実験に必要な高性能イヤホンの買い増し、データ入力の雇上げが想定される。さらに論文執筆と投稿に際し、英文校閲料が必要な場合は支出する。
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Research Products
(1 results)