2011 Fiscal Year Research-status Report
ポートフォリオに基づく一貫した目標設定による日本人学習者の英語力に関する研究
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23520765
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Research Institution | Hokuriku Gakuin University |
Principal Investigator |
米田 佐紀子 北陸学院大学, その他部局等, 教授 (70208768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
物井 尚子 (山賀 尚子) 千葉大学, 教育学部, 准教授 (70350527)
西村 洋一 北陸学院大学, その他部局等, 講師 (70406809)
ヒューズ ジェイソン 北陸学院大学短期大学部, その他部局等, 講師 (40601159)
細川 真衣 北陸学院大学, その他部局等, その他 (00598138)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 小中高大一貫英語教育 / CEFR / 国際的標準テストによる学力評価 / 自己評価 / 目標設定 / 動機付け / ポートフォリオ / Can Do |
Research Abstract |
本研究の目的は、Common Framework of Reference for Languages (CEFR)のポートフォリオを用いて目標設定をさせることで日本人英語学習に見通しを持たせられるか、また、英語力にどのように影響するか小学生~大学生を対象に検証することである。方法はポートフォリオと、ケンブリッジ英検による学力調査である。平成23年度は(1)ポートフォリオの確定および実施、(2)英語学習動機のアンケート調査、(3)ケンブリッジ英検(4)学会発表を行った。ポートフォリオについては本来の3部構成のうちCan Doリストに絞って実施した。 成果・意義・重要性は次の通りである。(1)調査参加者数が約2500名となり、研究(検証)結果の信頼性が高まった。石川県だけでなく関東地方3県の国公私立の小・中・高・大、計11校(約2500名)の参加によって、先行研究(Yoneda & Hughes 2010, Asakura, et. al. 2009, Yoneda, Lynch, & Woods 2008) で見た傾向をより広い地域・学校・人数って検証できる。(2)公式テストによる調査は小学生約30名と大学生3名が受験した。英語専攻学生でなくてもCEFR B1レベルのPreliminary English Testに到達できることが示された。(3)小学生にはCEFRのCan Doリストが不適切であることから改良を行った。(4)自己評価を学力テストとの関係からの報告(Benesse 2002)はあるが、英語に関して小学校から大学まで1つの尺度で検証された例は見当たらない。今日的課題である小学校から大学までの一貫した英語教育の模索という点で重要である。(5)本研究に深く関わる2011年度に収集したデータを研究チームで検証し海外の学会で発表し、論文投稿も行い採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来の目的は、Common Framework of Reference for Languages (CEFR)のポートフォリオを用いて目標設定をさせることで日本人英語学習に見通しを持たせられるか、また、英語力にどのように影響するか小学生~大学生を対象に検証することである。しかし、実際には学校現場がポートフォリオの指導の時間を確保しにくいことが分かり、平成23年度はCan Doのみに絞って実施することになった。この点が当初の予定とのずれとなっている。 また、実施後の返送時に資料の一部のみが返送されるなど混乱が生じたり、天候不良の影響で実施が遅れたりしたことでロスタイムが生じた。 実施方法に関する課題も出ている。協力校からの要望(「個人結果を参加者全員に返却すること」「CEFRのレベルを公的に保障するテストの使用」「参加者の年齢に合ったテストを使用」)と調査実施上の制約(実施時間は授業時間の45~50分以内、学力の高い参加者にはコンピュータによるadaptive testを提案するもPCの環境等の不適合や生徒のコンピュータリテラシーおよびスキル等の問題)の調整という課題である。調査開始時にはテスト結果の返却については学校にエクセルで報告ということで了解を得ていたが、担当者の変更等により生じた課題と考えられる。加えて、結果返却を1つ1つの学校に作成し説明しているが、このことは調査実施上重要である反面、想定以上に時間がかかり作業が遅れている要因の1つとなっている。 上記に加えて、1つの尺度で測る中で発達段階による差異をどう取り込むかが課題である。 これらの様々な課題についての対応を現在検討中であるが、早急に答えを出し次回の調査実施に間に合わせる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の調査参加者の追跡調査および結果の検証を行う。基本方針は1年目の方向性を踏襲し、(1)ポートフォリオの実施、(2)英語学習動機のアンケート調査、(3)ケンブリッジ英検(4)学会発表を行う。公式テストについては小学生と大学生以外にも参加協力を得られるか検討する。 平成23年度はポートフォリオのうちCan Doリストに絞って実施したことから平成24年度はポートフォリオ全体の導入を図る。また、協力校からの要望に対して応えられる部分については応えつつ、当初期待した効果が見られるよう働きかけをする。要望への対応の具体案は、「個人結果を一人一人に返却すること」によって「CEFRのレベル」との関連性を一人一人の参加者が把握できるようにすることである。 研究結果の公表や研究内容についての理解を求める活動として、協力校へのフィードバックと平成23年度のデータの検証結果を学会発表を行う。また、9月末には中部地区英語教育学会石川支部との共催で「小中高大を通してCan Doステートメントの活用を通じて英語学習の動機づけを高める―その理論と実践についてについて学ぶ―」というテーマで外部講師による公開講座を開く。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費としては23年度に前倒しをしたため50万円分を差し引いた100万円での実施となる。分担金:6万x3名、物品費:2万円、旅費:10万円、謝金:30万円、その他(模試・アンケート印刷費他):40万円
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Research Products
(2 results)