2012 Fiscal Year Research-status Report
小学校英語活動で電子黒板を利用した複数児童の同時音声診断ソフトの開発
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23520777
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Research Institution | Kobe Kaisei College |
Principal Investigator |
福智 佳代子 神戸海星女子学院大学, 現代人間学部, 准教授 (50469269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 直志 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20311061)
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Keywords | 小学校英語活動 / ゲームによる診断テスト / ICT / 電子黒板用デジタルコンテンツ / 電子黒板・クリッカー通信システム / 評価 / 第2言語習得 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、小学校英語活動での学習内容が総括できる「ゲーム」の作成、及び、クリッカー・電子黒板通信システム製作に取り組んでいる。ゲームのプレーヤー、すなわち学習者自身が主人公となるストーリーの中で、学習者が目標表現を理解しているかどうかを判定するが、ゲーム=診断テストの場面設定と対話表現に制約があるため、現在、インターネット上のフリーのイラストを使って、場面設定・対話表現が診断テストとして妥当かどうかを検証しながら評価に使える診断テストを試作中である。 同時進行で製作中のクリッカー・電子黒板通信システムは、すでに、クリッカーに通信システムソフトを組み込み、初期の作動試験を済ませている。次の段階として、試作中の診断テストをRPG(role-playing game)ゲームソフトとして完成させ、それをインストールし、クリッカー・電子黒板通信システムの作動試験を済ませてから、協力依頼をしている小学校現場で検証予定である。 児童の自己評価,先生のPCプルダウンを活用した評価との関連に関しては、 “Ability of the self-evaluation shown by the description of the sentence on the ‘furikaeri’card child wrote”(FUKUCHI, 2011,TLEiA4 査読有)、“Simple and Easy Evaluation Method Using a Pull-down Function of PC” (FUKUCHI, 2012, ICT for Language Learning 査読有)の中で紹介している。今回作成中のゲームによる診断テストでその経験値を英語活動の成果の数値評価として加えることができれば、児童の活動をより広範な観点からの評価が可能になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本RPGゲーム(診断テスト)では、ただ単に画面の問いかけ=問題文に答えるのではなく、自然な背景や場面設定の中で、そこに登場する主人公・キャラクター=学習者=プレーヤーが、場面に登場する他者と対話をすることで内容を理解しているかどうかを診断する。例えば「話を聞いて記号を選択しなさい」など、通常のリスニング問題で、字幕や音声で流れる日本語によるテスト問題のやり方の指示はせず、主人公=学習者本人が、場面の中で, 他のキャラクターに問いかけ、その答えをレポートする形で対話を理解しているかどうかを診断する。すなわち、英語の音声によるやりとりだけで,話の流れに合うイラストを選択し、対話を成立させていく。この条件下で,場面を設定し、自然な対話の流れの応答問題を作成するのは容易ではなく、診断ゲームの作成に予想をはるかに超えた時間を要してしまっている。 さらに、この場面設定が妥当であるかどうか,対話の流れが自然であるかどうかを、イラストレーターに独自のイラストを作成してもらう前に、制作費の関係上、インターネット上の画像を使って試作し,検討している。この作業にも相当時間を費やしている。この検討が終わり次第、必要となるイラスト制作、編集を依頼し、完成版診断テストのソフト制作、クリッカー通信システムへの組み込み、動作確認を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2011年度、2012年度に、コンピューターやゲーム機で使われるロールプレイングゲーム(通称RPGゲーム)で、Listening内容の理解を測る診断テストを作成しているが、ICT開発会社ヴォルテックに、そのゲームソフトの開発・試作版の制作を依頼している。電子黒板対応端末機器・汎用クリッカーと電子黒板通信システム(データ取り込みソフトなど)の開発に関しては、2012年5月、ICT開発会社ヴォルテックが基本計画書を作成、2013年3月には、実際に汎用クリッカー通信システムの1次開発及びクリッカーの動作確認を行っている。 既習事項の理解度を測る従来型の単なる診断テスト問題を作成するのではなく、適切な場面で、プレーヤーすなわち学習者が主人公となる自然な対話の理解度を測る問題作成を行っているため、問題作成に相当な時間を要している。現在、インターネット上の画像を利用し、上記内容の試作版RPGゲームソフトを作成する2次開発の段階である。この2次開発で、動作状況を確認し、診断テストの内容検討を行った後、ムラタ制作工房主宰・村田晃一氏にイラスト作成を依頼し、診断テストとしての最終編集を行った後、RPGゲームによるListening診断テストを完成させる予定である。従って,当初予定していた研究協力校での試用実験段階には至っていないが、完成次第、試用実験を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の目的である(1)電子黒板対応端末機器・汎用クリッカーと電子黒板通信システム(データ取り込みソフトなど)の開発・作成のため、ICT開発会社ヴォルテックに1次開発費を支払っている。物品購入に関しては、(2)クリッカー通信システムの作動実験をするために必要な機材の購入、コンピューター周辺機器の購入,試用実験結果を検証する統計ソフトの購入などに利用されている。次年度の研究費は、(3)Listening内容の理解を測るRPGゲーム(診断テスト)を作成する2次開発費として、ムラタ制作工房および株式会社ヴォルテックに対して技術料・人件費の支払いが発生するため、本診断テスト完成に要する諸費用に利用される。 外国旅費は、一昨年度Teaching & Learning English in Asia TLEiA4、昨年度の"ICT for Language Learning", PIXEL などに引き続き、国際学会での発表を行う予定である。謝金は、編集・監修、及び、音楽などの製作に協力していただく大阪音楽大学水谷一郎教授らに対し利用させていただく予定である。
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Research Products
(2 results)