2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520794
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黛 秋津 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (00451980)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 黒海 / 東洋史 / 西洋史 / ロシア / オスマン帝国 / バルカン / クリミア / 東方問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度計画しつつも実施できなかったバルカンでの調査を実施した。予算の都合上ブルガリアとルーマニアに限定せざるを得なくなったが、ソフィアでは国立キリル・メトディ図書館において、未入手だったブルガリアにおける近世近代黒海地域史研究文献といくつかの一次史料を収集し、また、バルカン研究所の研究員らから、本課題に関する有益な助言を得ることが出来た。ブカレストでは、ブカレスト大学中央図書館や歴史学部図書館などで史料収集を行った。一方、本年度の成果の発表に関しては、8月に開催されたICCEES(国際中欧・東欧研究協議会)第9回世界大会において、18世紀後半の黒海の国際化にとって重要な意味を持つロシアのクリミア進出に関して研究成果の一端を報告し、また11月にブルガリアのソフィアで行われた国際バルカン年次会議においても報告を行った。 本年度は事業期間の最終年度であるため、これまでの研究成果をまとめる作業にも着手し、平成28年度中に出版予定の黒海国際関係に関する論集の1章として、18世紀後半から20世紀初頭にかけての黒海地域の国際関係を概観する論考を著した。本研究が当初目指した①黒海における外国船舶航行問題と②黒海周辺地域をめぐるオスマン帝国と諸外国間の政治外交関係の二点に関して、前者については19世紀以来の海峡通行問題、後者については18世紀後半のクリム・ハーン国やドナウ二公国をめぐるロシア・オスマン関係などを中心に、これまでに明らかにした知見をその論考の中に十分盛り込むことが出来た。
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Research Products
(3 results)