2013 Fiscal Year Annual Research Report
近世日本における自然資源の利用と管理に関する歴史学的研究
Project/Area Number |
23520803
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高橋 美貴 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90282970)
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Keywords | 自然資源の利用と管理 / 資源保全 / 近世日本 / 近代日本 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本の近世社会を主な事例として、自然資源の利用と管理に関する歴史学的研究を行うことである。このような目的にアプローチするため、①特定フィールドを設定して資源変動と地域の生業・社会の対応を事例に則して掘り下げる地域史研究の作業と、②全国各地に明治期の行政文書として残されている、伝統的生業の技術や技能・慣行などに関する資料の概要調査とデータ収集、という二つの作業を進めることを計画した。本年度は、以下のような作業を行った。 1、本年度は、本科研の最終年度に当たることから、これまでの研究の総括を進め、2013年11月にそれを単著『近世・近代の水産資源と生業ー保全と繁殖の時代ー』(吉川弘文館、全297頁)にまとめ刊行した。 2、「近世日本における自然資源の利用と管理に関する歴史学的研究」という本科研の題目を意識し、分析対象を水産資源以外に広げ、農業史に関して「近代日本農業史研究と環境史研究」(鳥越皓之編『環境の日本史5 自然利用と破壊ー近現代と民俗ー』吉川弘文館、2013年6月)を、また森林資源と水産資源との関わりを意識して「近世の水揚帳とサケの漁況変動」(『歴史評論』764、2013年12月)を執筆・発表した。 3、調査としては、とくに②に関わる調査として、6月26~27日に奈良県庁文書(奈良県立図書情報館所蔵)の閲覧・撮影を、また12月21~22日には滋賀県庁文書調査の追加作業として同県内で刊行された自治体史のチェックを同県立図書館にて行った。 4、分析対象を森林資源に広げることを意図して、11月23~24日に一関市大東町に残る山林・山村資料の調査を行い、翌3月11~12日にはその一部について目録化作業も行った。
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Research Products
(3 results)