2011 Fiscal Year Research-status Report
戦時期上海の経済社会の変容と中支那振興株式会社に関する歴史的研究
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23520878
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高綱 博文 日本大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90154799)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 中支那振興株式会社 / 戦時上海 |
Research Abstract |
本研究は、戦時上海(1937~45年)の経済・社会の変容と日本の国策会社・中支那振興株式会社の関連性を歴史的に検証することを目的とする。即ち、日本政府により華中地域の占領地開発を目的に、1938(昭和13)年11月に設立された国策会社・中支那振興株式会社に関する史料を調査・蒐集し、その組織と活動の全容を解明するものである。それを通じて、中支那振興株式会社が上海を中核とする華中地域の経済・社会に与えた影響を日中双方の史料に基づき総合的に検証し、歴史的に考察することを目指すものである。 当該年度の研究成果として、拙稿「戦時上海の経済・社会変容と中支那振興株式会社に関する基礎的研究」(日本大学通信教育部『研究紀要』第25号、平成24年3月)を発表した。 同稿は、本研究の基礎的な作業報告であり、中支那振興株式会社に関して、その研究目的・計画・特色を明らかにして、戦時上海の時期区分と中支那振興株式会社の概要を略述したが、戦時上海(1937~45年)はおよそ4つの時期に区分できるが、上海を中心とした華中地域の占領地経営を目的として設立された同会社の性格の変化もその時期区分にほぼ対応している。更に同稿には中支那振興株式会社史料調査報告を添付した。 当該年度は、中支那振興株式会社の<基礎研究>を課題としており、中支那振興株式会社に関する史料調査を国内では主に外務省外交史料館で、国外では中国・上海市档案館で実施した。上記の中支那振興株式会社の史料調査・収集と共に同会社の設立の経緯、組織、活動などについても実証分析を進めている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、中支那振興株式会社に関す史料調査・蒐集し「関係文献目録」を作成して中支那振興株式会社の概要を明らかにし、その上で同会社の実態分析と戦時上海の経済・社会の変容との関連性を明らかにすることにあり、<基礎研究>と<歴史研究>の2段階において研究成果をあげることを計画しているが、現在計画通り下記の<基礎研究>を実施している。<基礎研究>(1) 中支那振興株式会社に関する史料調査・蒐集を国内外で行い、「中支那振興株式会社関係文献目録」を作成する。(2)中支那振興株式会社に関する史料分析を行い、その設立の経緯、組織、活動などを実証的に検証し、同会社の実態概要を明らかにする。
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Strategy for Future Research Activity |
下記の通り、中支那振興株式会社の<基礎研究>に重点を置きながら、<歴史研究>を進めて行く計画である。<基礎研究>(1) 中支那振興株式会社に関する史料調査・蒐集を国内外で行い、「中支那振興株式会社関係文献目録」を作成する。(2)中支那振興株式会社に関する史料分析を行い、その設立の経緯、組織、活動などを実証的に検証し、同会社の実態概要を明らかにする。<歴史研究>(3)中支那振興株式会社は華中地域における交通、通信、電力、鉱業、水産業などを網羅する諸企業を傘下に置いたが、その中から華中鉱業株式会社・華中水電株式会社などの会社を選び出し具体的な事例分析を行う。その際、「概ネ支那側ヨリ既存施設ヲ現物出資セシメ之二日本側ノ資本及技術ヲ注入シ、夫々、日支合弁経営ノ会社経営二委ヌルコトトセリ」(『中支那振興株式会社事業内容概説』1938年)とされるが、その実態を日中双方の史料を比較検討し明らかにすることを試みる。(4)中支那振興株式会社の設立とその支援を受けた日本の民間企業が大挙して中国進出したことは、上海の日本人コミュニティのあり方を質量とも変化させるものであったと想定されるが、そのことを『大陸新報』『申報』などの新聞史料を中心として検証する。(5)戦時上海の経済・社会変容に中支那振興株式会社が果たした「破壊と建設」の役割を、日中双方の史料に基づき総合的に検証し、歴史的に考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度未使用の約38万円は体調不良のため国内外の調査が十分に出来なかったため生じた。その未使用額は24年度において主に史料調査・蒐集・分析に使用する計画である。また、24年度分として請求する研究費は主に関係史料の調査・蒐集及び蒐集したマイクロフィルム史料のデジタルデータ化に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)