2011 Fiscal Year Research-status Report
ホノルルにおける戦後移住日本人の「居住空間」とジェンダー
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23520968
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
影山 穂波 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (00302993)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 居住空間 / ホノルル / ジェンダー / 移民 / ライフヒストリー |
Research Abstract |
23年8月から9月にかけてハワイ調査を実施した。これまで調査を進めてきた、主婦ソサエティ、日本文化センター、カトレア会、虹の集い、お茶会など、いくつかのネットワークに参加し、話を伺った。活動への参加の意味やハワイでの居住に関して、数人と話をすることができた。また沖縄出身の日本人女性のライフヒストリー調査を実施した。彼女は、戦後沖縄で生活をしていたが、その後グアムからハワイに生活拠点を変え、現在ではホノルルに定住している。琉球舞踊を指導しながら沖縄文化をハワイで伝承している彼女のライフヒストリーからは、沖縄の世界とのつながりや、ハワイにおける沖縄ネットワークの強さを示していた。滞在期間中に実施されたオキナワンフェスティバルに参加した際も、沖縄系の日系人・日本人のアイデンティティの強さと、それに興味関心を抱くハワイの人たちの現状を見てくることができた。10月には沖縄で世界のウチナーンチュフェスティバルが実施され、参加してきた。ハワイからの来日者も多く、話をする機会ももつことができた。沖縄と世界に広がっていた移住者とのつながりは、それぞれの歴史を示していたが、中心的な論題のひとつに、アイデンティティの問題がとりあげられていた。シンポジウムやワークショップを通じて、多様な年齢層の人々が集い論じる場を形成していた。日本とハワイとの関連を資料から調べるために、新聞記事の分析を進めている。とくに2009年に廃刊してしまったが、イースト・ウェスト・ジャーナルの分析から、ハワイに移住した日本人の記事を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハワイ出張により、ネットワーク調査を進め、ライフヒストリー調査を実施することができた。当初予定していた調査予定者数人とは時間が合わず、今回は実施することができなかったが、次回改めて連絡を取ることができるようにすでに依頼してある。文献、新聞調査からは、ハワイに居住する日本人の動向分析を進めている。また沖縄出身の女性のライフヒストリー調査を実施したことを契機に、沖縄における移住者の問題にも着手することができた。研究を深めることで、日本とハワイとの関係性を明らかにすることができると考える。以上の調査の進展から、おおむね順調であるといえよう。
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Strategy for Future Research Activity |
ハワイにおいて,文献調査と資料収集を進め,ホノルルの都市開発に関する分析を進める。またホノルルで展開されているネットワークをさらに調査する。主婦ソサエティメンバーのライフヒストリー調査をさらに進めるとともに,「戦争花嫁」,国際結婚をして移住してきた対象者などを探し,調査を行う。沖縄出身の対象者への調査も進める。ここまでの成果発表のため、ケルン(ドイツ)で開催予定の第32回IGU(International Geographical Union)大会で報告を行う。ホノルルの都市形成に関わるネットワーク調査をジェンダー視点で分析し、発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ケルン(ドイツ)で開催されるIGU(InternationalGeographical Union)大会参加、またハワイでの調査を進めるための海外旅費を申請する。日本においてハワイ関連の資料を収集し、またハワイと関係のあるネットワークについても調査するために国内旅費を申請する。関連資料の収集、調査の進展のための費用として物品費を請求する。国際学会での発表の英文原稿のチェックを依頼するための費用を請求する。
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Research Products
(1 results)