2012 Fiscal Year Research-status Report
ホノルルにおける戦後移住日本人の「居住空間」とジェンダー
Project/Area Number |
23520968
|
Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
影山 穂波 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (00302993)
|
Keywords | ホノルル / 居住空間 / ジェンダー / 移民 / ライフヒストリー |
Research Abstract |
平成24年8月にIGU(International Geographical Union)のケルンでの大会に参加し、ハワイの移住者に関する本研究の成果の一部を報告した。ハンブルグで行われたジェンダー部会のプレ会議にも参加し、研究の示唆を得た。 9月にはハワイ調査を実施した。前年まで進めてきた、主婦ソサエティ、日本文化センター、マキキ教会の虹の集いなど、いくつかのネットワークに参加し、会の動向や特徴に関して話を伺った。メンバーにも個別に調査を依頼し、活動への参加の背景や、ハワイでの居住に関して話をうかがうことができた。一方で予定があわず、今回の調査では、お会いすることのできなかった方も多かった。 ネットワーク調査とは別に、ライフヒストリー調査を進めた。学卒後ハワイに渡り、起業して成功したものの、体調を崩して仕事をやめ、苦難の時代をのりこえて現在にいたったという人。また「戦争花嫁」すなわち、戦後日本に駐留していた日系アメリカ人と結婚し、移住してきた人にも話を聞いた。沖縄からハワイに移住し、その後グアムにもわたったが、現在はハワイに戻り琉球舞踊手として活躍している人である。ライフヒストリーの調査からは、彼女たちのアイデンティティと居住空間としてのハワイとのつながりを検討している。 日本からハワイへの移住者を資料から調べるために進めている、イースト・ウェスト・ジャーナルの分析も継続している。ハワイに渡った新一世たちを紹介した特集記事を中心にまとめている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度はハワイでの調査に際して、予定していた調査対象者数人に会えなくなってしまったため、ネットワークに関連した調査はかなり遅れてしまった。 一方で、「戦争花嫁」のカテゴリーに入る方にお会いすることができた。ライフヒストリー調査に関しては途中までではあるが進めることができ、進展が見られた。 23年度から引き続き、沖縄出身の方のライフヒストリーの調査をさらに進展させており、同時に24年度は沖縄における移住者の問題に関しても深める予定であったが、着手することができなかった。 戦後のハワイにおける日本とのつながり、日系人の動向、ハワイに居住する戦後移住の日本人の調査に関する文献、イースト・ウェスト・ジャーナルの分析を23年度に引き続き進めており、進展が見られる。 ホノルルの都市計画に関する調査分析は課題として残された。
|
Strategy for Future Research Activity |
ハワイにおいて、文献調査と資料収集を進め、ホノルルの都市開発に関する分析を進める。またホノルルで展開されているネットワークをさらに調査する。ライフヒストリーの調査に関しては、「戦争花嫁」、国際結婚をして日本からハワイに移住してきた人などを中心に、戦後ハワイに移住した日本人の聞き取りを進める。主婦ソサエティのメンバーでの聞き取り調査が進んでいないため、本年度は実施する予定である。 日系社会とのつながりが深いことを考慮し、発展的分析のためにも各地の日系センターにある資料の閲覧を進める予定である。 ここまでの研究成果を報告するため、京都で行われるIGU(International Geographical Union)地域大会に参加する。発表はプレ大会のジェンダー部会で行う四手大人っている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ハワイでの現地調査のために旅費を中心に研究費を使用する。本研究課題の発展的調査のため、バンクーバーにある日系センターに訪問する予定である。本研究の推進のため、資料収集を行う。東京ウィメンズプラザを始め、女性問題の資料のために国内出張を行う。東京だけではなく、移民関係の資料をハワイとの関連のある地域を中心に訪問する予定である。 書籍をはじめとする資料の購入費用として物品費を使用する。女性問題の資料と、移民関係の資料、また日本に関する情報と、ハワイに関連する資料を中心として、関連する書籍を購入する。 また調査に必要なモバイル機器、周辺機器、文具などを購入する。 成果の発表のために国際地理学会地方大会に参加する。プレ大会のジェンダー部会で発表を予定している。
|
Research Products
(1 results)