2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520996
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
阿南 透 江戸川大学, 社会学部, 教授 (50255204)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 祭礼 / 暴力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、祭礼において見られるさまざまな「暴力」とその解決法を明らかにすることで、現代日本における祭礼の持つ意味を明らかにするものである。 最終年度である今年度は、特に山車をぶつけることで著名な祭礼を重点的に研究した。 全体の研究成果は次の通りである。今回調査した祭礼の中には、場所・時間・ぶつける相手、ぶつける方法を事前に決めてルール化する、「競技化」の方向へ変化した祭礼があった。福野夜高祭、伏木けんか山、砺波夜高祭、築地だんじり祭りなどである。変化の要因として1960~70年代頃に、事故をきっかけとした警察の関与があり、事故防止策と道路使用許可をめぐる交渉で祭礼の方向性が決まっていった。その一方で、角館のお祭りは、こうした方向に至らず、競技化しない祭礼として存続した。 参加者の小競り合いや群集の騒乱が目立つ祭礼の中では、青森ねぶた祭が、条例を制定して騒乱を抑えることに成功したものの、参加者と観客の減少を招き、観光という観点からは新たな問題が生じることとなった。一方、森の祭り、見付天神祭、くらやみ祭などは、関係者による交渉で問題が解決していた。 このように、暴力とその解決法という観点から祭礼を比較すると、警察や行政といった外部の介入により解決を図る祭礼の存在が目立った。そこでは死亡事故などの大規模な事故が転機となっており、その転機は1960~70年代にあったことが明らかになった。このことは、祭礼における暴力がもはや特別のものとして許容されるのではなく、日常の論理に従い、日常性の枠内に取り込まれたことを示すものである。この点を踏まえ、次は暴力を統御しながらも興奮を誘発する手段としての「競技化」に焦点を絞り、祭礼研究を継続する予定である。
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Research Products
(2 results)