2014 Fiscal Year Annual Research Report
現代中国の人々の生活実践に関する人類学的ライフヒストリー・アプローチ
Project/Area Number |
23521011
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
韓 敏 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (10278038)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ライフヒストリー / 生活実践 / 社会主義革命 / 英雄崇拝 / 聖地 / 輿職人 / 風水 / キリスト教 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度の最終年度において、23年度、24年度と25年度の調査データを整理しながら、一部の成果を論文やエッセイにまとめて公表した。また、近代中国の革命聖地とされる広東省中山市にある孫文の生家、南京市にある孫文の陵墓、湖南省韶山市にある毛沢東の生家、及び中国一の金持ち村江蘇省江陰市華西村で、現代聖地の成り立ちとその観光化の現状を考察し、それに関連する人々のライフヒストリーの聞き取り調査を行った。 研究機関全体を通じて実施した研究の成果は、大きく以下の2点にまとめることができる。 1.当初の研究目的に応じて、ライフヒストリーの手法を用い、安徽省宿州市とその周辺農村に在住している農民、地元の行政幹部、風水師、キリスト教徒、輿の職人と老人ホーム経営者などの8人とその家族に焦点を当てて、人々の生活実践レベルにおける社会主義革命の意義およびグローバル化による中国の社会変化の様態を考察した。
2.安徽省の調査で得られた成果を中国社会でどこまで一般化できるのかを明らかにするために、安徽省以外にも瀋陽、湖南、広東、福建と江蘇の都市部と農村部で、聞き取り調査を行い、そのデータを比較することにより、人類学研究におけるライフヒストリー・アプローチの有効性を再検討し、当初設けた15の共通調査項目――出産、命名、躾け、学校教育、働き・仕事、消費、交友、恋愛、結婚、家族、子育て、扶養、エージング、死、祭祀を通して、ライフヒストリーの比較研究の理論的構築を試みた。
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Remarks |
現代中国の社会・文化の変化と持続についての考察。
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Research Products
(7 results)