2013 Fiscal Year Annual Research Report
国際規律の形成・受容・確保に関わる統治構造理解の前提の変容と憲法的統制の再構築
Project/Area Number |
23530034
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
齊藤 正彰 北星学園大学, 経済学部, 教授 (60301868)
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Keywords | 公法学 / 憲法 / 条約 / 国際規律 |
Research Abstract |
本年度は、国内裁判所とりわけ最高裁判所の責務という観点から、単に裁判での条約の適用問題ではなく、国法秩序を国際規律に適合的に維持し、日本国の国際規律違反を避止し、あるいは国際紛争を法的に処理するための対応を憲法学の観点から総合的に検討するという計画に基づき、国際規律の国内的実施の確保段階の諸問題について資料・文献を収集・考察した。 そうした研究の具体的成果として、第1に、共著『論点探究 憲法』の改訂版を執筆し、公刊した。本書は、教科書等では記述が平板な箇所を中心に、33の項目について14名の研究者がそれぞれ専門分野を中心に執筆したものである。担当部分の1つである「人権の国際的保障」については、本研究課題が対象とする問題領域の基本的部分に関わるものであり、単に旧稿を手直しするのではなく最新の研究動向を反映して全面的に書き改めている。第2に、日本国の国際規律違反を避止し、あるいは国際紛争を法的に処理するための対応である国際規律の国内的実施の確保段階に関して、書評という形で、実務法曹の活動にコメントした。第3に、国法秩序を国際規律に適合的に維持することについての政府の対応という観点から、国際人権法学会の「多層的人権保障システム下での憲法の国際化/国際法の憲法化」研究グループにおいて報告を求められ、40名近い研究者が出席するなかで1時間程度の研究報告を行い、さらに30分程度の議論をした。議論の内容は、出席した研究者が後日公刊した論文にも反映され、本研究のまとめについても有益な示唆を得ることができた。
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Research Products
(3 results)