2014 Fiscal Year Annual Research Report
わが国を含むEU域外諸国の視点から見た国際家族に関するEU規則
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23530057
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
岡野 祐子 関西学院大学, 法学部, 教授 (60224044)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | EU国際家族法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は、夫婦間の財産問題に関するEU国際私法に焦点を当て研究した。対象としては、2009年発効の「EU扶養規則」と、2011年に上程された「EU夫婦財産制に関する提案」、いわゆる「ローマIV規則提案」を取り上げ、これらの規則・提案のEU内での適用の相互関係と、EU域外諸国への適用について考察した。「EU扶養規則」については、離婚に際して扶養義務が生じるケースが多いことから、離婚事案の国際裁判管轄を対象とする「ブラッセルIIbis規則」との関係も深いが、双方の規則の整合性が必ずしも取れていないとの指摘を調査し、その問題点を考察した。特に「EU扶養規則」は、その国際裁判管轄規則が、EU加盟国のみならず我が国を含むEU域外国が関係する事案においても適用されるため、上記の問題指摘をもとに、同規則の詳細を調査し、EU域外諸国への影響を考察した。 「ローマIV規則提案」に関しては、扶養義務と夫婦財産制についての切り分けを行わず一体的に処理するイギリスにおいて展開されている議論をもとに、これらの規則および提案の相互の適用関係について考察した。 海外調査としては、ワシントンDCで開催された第76回ILA学会に参加し、各報告を聞き、参加者との意見交換を行った。 これらの研究をもとにして、論考「夫婦間の財産問題に関するEU国際私法」にまとめる作業を行い、本論考は2015年に関西学院大学法学部紀要『法と政治』に掲載予定である。
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Research Products
(1 results)