2013 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者による児童虐待への対応に関する法学的研究
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23530067
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
吉田 恒雄 駿河台大学, 法学部, 教授 (90147918)
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Keywords | 児童虐待 / 精神障害者 / 子育て支援 / 機関連携 / 要保護児童対策地域協議会 / 子どもの権利条約 / 障害者権利条約 |
Research Abstract |
1.本研究は、精神障害者による児童虐待の実情を明らかにし、それに対する対応のうち特に法的対応を中心に検討することを目的としている。 2.平成23年度は埼玉県の全市区町村の要保護児童対策地域協議会調整機関を対象に、本課題に関する実情と対応状況を調査した。平成24年度は、この調査をもとに現状を分析するとともに課題を明らかにし、調査をもとに提言を行った。 3.平成25年度は、精神障害者による児童虐待の現状をこれまでの各種調査をもとに分析し、この問題の背景には精神障害だけでない複合的原因があること、この問題が児童虐待への対応、社会的養護の根本的課題であり、かつ多機関連携がとくに求められる課題であることが明らかになった。さらに、本課題に関する児童福祉、精神障害者保健福祉、母子福祉、障害者総合支援等の法制度を検討し、各分野に支援制度が用意されているものの、個々の制度がそれぞれの担当部署により運用されていること、本課題について他分野の制度等の理解が十分でないことから、他の分野の制度の理解や対応力の向上のためには、多機関による合同研修が有益であることが明らかになった。また子どもの権利条約及び障害者権利条約の検討からは、障害の種別に関わらず、障害のある親による在宅子育てへの支援制度の充実とその前提として障害のある親が自ら養育することを可能にする視点を法律の中に明記する必要性が明らかになった。児童福祉、精神保健福祉の研究者・実務家からは、この課題への対応のために対応組織のマネージメントの重要性やこれまでの重大事件でのケースの見立てに関する課題が示された。二つの自治体でのヒアリングでは、各種の支援制度がそれぞれの内容と事案に応じて運用されているものの、なお支援上の困難が残されていることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)