2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530081
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
池田 秀彦 創価大学, 法学部, 教授 (60168135)
|
Keywords | 王冠証人 / DNA鑑定 / 通信傍受 / 組織犯罪対策 / 新捜査手法 / ドイツ |
Research Abstract |
25年度は、ドイツの王冠証人制度と通信傍受制度を中心に研究を進めた。まず、前者については、重大な犯罪を犯した者が自発的に情報を提供し、一定の重大な犯罪の解明、阻止に本質的に貢献した場合に、裁判所が刑を減軽または免除しうることを定める、ドイツの王冠証人規定(刑法46条b)(2009年9月1日施行)が2013年に改正されのを契機として、改正の目的、概要、それに対する批判、連邦議会法務委員会での専門家の意見等を詳細に明らかにした。 後者については、通信傍受規定、即ち、100条a、100条b(傍受の手続規定)、100条c(住居での会話傍受)、100条d(住居での会話傍受の手続)、100条e(通知義務)、100条f(住居外での傍受)、100条g(通信データの収集)、100条h(技術的手段の利用)の立法趣旨、内容について詳細に明らかにした。 23年度からの研究期間全体では、まず、ドイツのDNA鑑定に関する規定の立法史、立法内容および鑑定結果のデータベース化に関する法制の概要と運用の現状と課題について詳細に、調査、研究した。次に、王冠証人規定の立法史を概観し、立法形式として、刑の減免を以て報いる実体的対応の他、犯罪解明に寄与した被疑者を不起訴とする訴訟法的対応が採用されたことがあるが、今日、実体法的対応に一本化された経緯とその背景について詳細に明らかにした。王冠証人規定の刑法46条bが2013年に改正された経緯とその理論的根拠について明らかにした。最後に、通信傍受規定の概要、立法趣旨等について詳細に検討を加えた。
|