2014 Fiscal Year Annual Research Report
携帯電話を用いた経済実験ツールの開発及びその有効性の検証
Project/Area Number |
23530213
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 明宏 山形大学, 人文学部, 准教授 (30312721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西平 直史 山形大学, 人文学部, 准教授 (70344778)
高橋 広雅 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (80352540)
小川 一仁 関西大学, 社会学部, 准教授 (50405487)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 経済実験 / 教育実験 / 携帯電話 / スマートフォン / 教育効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
既存の経済実験実施手法としては意思決定内容を紙に記入させる方法やPCネットワークを利用して参加者同士を接続する方法が一般的である。しかしながら、これらの方法にはいくつかの問題点がある。例えば、紙実験では集計に手間がかかり、実験結果を即座に参加者に伝達することが困難である。また、PC実験の実施には大学内のIT環境、並びに実験者である教員のネットワークやプログラミングの知識が要求される。これらは経済実験を手軽に実施しようとするときのコスト要因となる。これらのコストは実験経済学の普及を妨げる要因としても作用する。そのような問題を解決するため、本研究において我々は携帯電話を用いた簡易経済実験システム「Easy Economic Experiment System (E3)」を構築した。E3の特徴としては、(1)クライアント端末に携帯電話を使用、(2)クラウド型のサービス、(3)実験結果のcsv形式での出力、が挙げられる。 今年度の研究では、E3を用いた教育実験を講義に取り入れたときの教育効果の検証を行った。また、講義や及びE3を利用した経済実験と伝統的に行われてきた紙実験との実験結果の比較を行った。分析の結果、以下のことが示された。教育効果については、通常形式の講義のみ受講した学生よりも講義受講後に教育実験に参加あるいは見学した学生の方が小テストの成績が有意に高くなることが示された。また、教室実験における意思決定では、実験参加者の意思決定と実験見学者による意思決定シートへの記載に違いは見られなかった。このことはE3を用いても紙を用いた経済実験と同様の実験結果が得られることを示唆している。 今後は教育効果の測定方法について改善することと、E3において実施できる実験の種類を増やしていくことが、当面の課題である。
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Research Products
(10 results)