2013 Fiscal Year Research-status Report
中国GDP統計に関する現状と課題 ―日本との比較―
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23530247
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
李 潔 埼玉大学, 経済学部, 教授 (10302506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作間 逸雄 専修大学, 経済学部, 教授 (50114947)
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Keywords | SNA / 中国GDO / 帰属家賃 / 実質GDP / 日中比較 / 2008SNA |
Research Abstract |
上記研究課題を研究する第3年度として、多くの研究活動を行った。 1.論文「GDP統計における持ち家住宅サービスの推計に関する日中比較」では,SNAにおける持ち家の住宅サービスをGDPに計上する妥当性に関する議論の整理および,SNAで勧告される帰属家賃の推計方法についての検討を行い,その後,日本と中国が実際に行なわれている帰属家賃の推計方法を考察し,さらに,実際の統計データからGDPにおける持ち家住宅サービスに関連する両国の比較を行った。そこで,中国における持ち家住宅サービスの推計方法は,住宅市場が自由化されていなかった改革開放の初期には止むを得ないことにしても,持ち家率が8割以上といわれる今日でも,その推計方法は本質的に変更していないことを問題点として提起する。こうした考察から,中国における帰属家賃の推計方法を今後変更すれば,それに伴い,GDPのさらなる上方修正の可能性があることを示唆される。この内容を統計データの更新、内容をより充実して中国語バージョンにしたのは、論文「GDP核算中自有住房服務虚擬計算的中日比較[中国語](Comparison between China and Japan by Virtual Computing of Owner Occupied Housing Services Based on GDP Accounting)」であり、特に日本の推計方法について充実した。また、論文「中国の実質GDPの推計に関する一考察―日本と比較しながら―」では、日本と大きく異なる中国の実質GDPの算出方法について考察した。 2.研究成果を内外の関連学会・研究会で計6件の研究報告を行った。 3.新聞経済コラム「日中比較:地域のGRPと国のGDP」では、地域のGRPの合計値と国のGDPとの関係について、統計データと統計制度について日中比較を行なった。 4.研究分担者である作間逸雄論文「新しいSNA の特徴-2008SNA の翻訳作業を終えて-」では、2008SNAの性格と特徴について論説した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上の研究実績の概要に示される通り、昨年に引き続き、数多く、大きな研究成果を上げています。
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Strategy for Future Research Activity |
継続に中国GDP統計について精査する。来年度は、主に以下のいくつかの課題を取りこみます。 1.これまでの研究成果が高く評価されていますので、より精査し、もっと詳しく検討する上に英文化する予定。 2.中国の名目GDPは生産側を基準GDPとし,また,実際公表している実質GDPは生産側のみで,経済成長率が生産側の実質値を利用して算出される。しかし、中国の実質GDPの算出方法は日本と大きく異なる。これについて来年度引き続き検討し、関連学会で報告し、この分野の専門家の意見をうかがう予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.研究成果を学会報告するための旅費、あるいは意見交換やヒヤリングを行うための旅費。 2.関連資料データなどの購入。 3.専門家を招くための謝金。
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Research Products
(10 results)