2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530261
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安部 由起子 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (50264742)
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Keywords | 女性 / 就業 / 非正規雇用 / 地域 |
Research Abstract |
非正規雇用は女性に多くみられる雇用形態であるが、非正規雇用を含めた女性の就業の実態について研究を実施した。とりわけ、女性の非正規雇用・正規雇用の地域差を統計データを用いて数量的に把握した。また、日本だけでなく、他の先進国におけるデータを用いた研究を開始した。日本の女性就業、とりわけ就業率の水準や働き方についての議論の際には、国際比較の視点からの話題になることが多いので、質の高いデータを用いた国際比較研究は有意義であると考える。平成25年度には、日本の女性就業に関する地域差に関する論文を公表した(Abe, "Regional variations in labor force behavior of women in Japan" Japan and the World Economy 28, 112-124)が、その主要な内容は以下のとおりである。女性の就業率は日本海側地域(山形、新潟、富山、石川、福井、鳥取、島根)で、他地域よりもかなり高く、25-54歳の女性の就業率は東京で62パーセントだが、日本海側地域では77パーセントだった(2007年就業構造基本調査)。日本海側地域におけるこの高い就業率は、子どもを持つ有配偶女性が正社員として就業する割合が高いことに起因しており、有配偶女性のパート就業や、無配偶女性の就業の地域差は小さい。論文では、観察可能な需要・供給要因(祖父母との同居、保育資源の多寡、男性の収入、産業構造)が、女性就業の地域差を説明するかどうかを、2007年のクロスセクションデータにより検証した。回帰分析の結果、需要・供給要因は地域差の一部を説明するが、それらをコントロールした後にも地域差は残ることがわかった。
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Research Products
(5 results)