2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530304
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松島 泰勝 龍谷大学, 経済学部, 教授 (20349335)
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Keywords | 基地所在市町村 / 基地経済 / 基地跡地利用 / アメとムチの政策 |
Research Abstract |
平成24年度の研究実施計画は、主に米軍基地所在市町村における振興開発の効果と問題点、米軍基地所在市町村の財政状況や経済状況等について、関連資料を収集し、関係機関や住民から聞き取り調査することに研究の重点がおかれた。当該年度における研究実績は次のように、まとめることができる。沖縄島の宜野湾市、嘉手納町、那覇市、名護市、宜野座村、そして久米島町等の基地所在市町村の統計データを収集するとともに、沖縄県庁、沖縄総合事務局から発行されている諸統計資料を入手し、分析した。また沖縄国際大学の教員に対して基地と振興開発lに関するインタビューを行った。 また米軍跡地である、那覇市のおもろ町、北谷町の美浜、読谷村を実施調査し、基地返還後の経済効果について関連資料を収集し、分析を行った。 以上の調査から、いわゆる基地経済は沖縄経済全体の中で大きな比重をしめていないが、基地所在市町村においては基地関連の振興開発の効果が無視できない規模であることが明らかになった。振興開発政策の一つの側面である「アメとムチ」の政策が、基地所在市町村に対して影響を与える背景を経済的に検討することが可能になった。また基地跡地利用における個々のケーススタディにより、基地経済が沖縄全体の経済に与える影響度が小さくなってきているという状況を具体的に把握することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的、研究計画にそった形で研究活動を行うことができたからである。調査研究過程で、本研究に関連する資料を入手できたことも研究の達成度を上げることに貢献したといえる。 また本研究に関するフィールドワークを精力的に実施することで、関係者に対するインタビューを行い、実態調査を実施し、関連資料を収集することも可能になった。 さらに学会、研究会、シンポジウム、講演会等において、本研究に関する報告を行い、参加者との意見交換により研究内容を深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、琉球諸島における内発的発展について特に重点的に研究をしてみたい。今年5月に、石垣島白保においてフィールドワーク調査を実施する予定であるが、当該地域は、地域資源を活用した内発的発展の先進地域として注目されている。当該地域に関しては20年前から継続的に調査しており、今回の調査では内発的発展の新たな側面、新石垣空港建設にともなう社会経済的な影響に対する対応等に重点をおいた調査を行いたい。 その他、今年度は他の島々における内発的発展のフィールドワークを実施することで、島嶼間の内発的発展の相違を明らかにするとともに、沖縄全体の内発的発展の特徴を、振興開発政策と比較しながら考察してみたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度も、琉球の島々におけるフィールドワークに重点を置く調査を実施するために、旅費関連の研究費が大きな割合を占める予定である。
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Research Products
(16 results)