2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530304
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松島 泰勝 龍谷大学, 経済学部, 教授 (20349335)
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Keywords | 振興開発 / 内発的発展 / 島嶼経済 / 基地経済 / 基地跡地利用 |
Research Abstract |
本年度は、沖縄県における振興開発の実態調査を進めるとともに、那覇市の金城地区における跡地利用を内発的器発の観点から資料収集、実態調査を行うことができた。また宮古市が直面している開発問題についてのヒアリング調査を行い、同地で開催されたシンポジウムにおいて地域住民から開発にともなう問題について意見交換することができた。また同じ島嶼として開発問題を共有し、内発的発展の実践が見られるグアム、パラオにて調査を行うことで、沖縄が抱える問題と発展の可能性について明らかにすることが可能となった。さらに、中国・上海や台湾大学の研究者と沖縄経済の問題について意見交換することで、本研究に関する有意義な示唆を得た。 さらに石垣島、竹富島において振興開発と内発的発展に関する実態調査、資料収集、インタビュー等を実施した。沖縄県ではなく、鹿児島県の島である、与論島においても実態調査、インタビューを行った。沖縄県の島々とは琉球文化圏として共通の歴史、文化を持つほか、奄美振興開発が実施された島であり、沖縄県の沖縄振興開発との比較の上でも重要な研究上の知見を得ることができた。 本年度12月に名護市辺野古への米軍基地建設と関係する振興開発の新たなメニューが日本政府から提示された。他方、本年度1月に実施された新米軍基地の建設予定地である名護市市長選では、振興開発からの脱却を掲げ、新基地建設に反対する候補者が当選した。来年度は、沖縄県において辺野古新基地建設と振興開発との関係を名護市における調査を踏まえて検討する。また来年度11月に予定されている沖縄県知事選挙においても振興開発が大きな争点になると思われるが、今後の沖縄県における振興開発と内発的発展との関係についても分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の計画に従って、沖縄の振興開発と内発的発展に関する実態調査、資料収集、ヒアリング調査等を実施することができた。 グアム、パラオ等の海外島嶼、与論島の沖縄県外島嶼と、沖縄県の振興開発と内発的発展を比較調査することができた。また台湾、中国上海の経済学者と沖縄の経済政策、経済実態等に関して意見交換することで、多くの新たな知見を得ることが可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年12月に仲井眞沖縄県知事が辺野古への新基地建設計画受け入れ表明を巡り、沖縄県に対する振興開発の規模や内容もこれまでにないものとなった。他方、2014年1月に行われた名護市市長選挙において、基地と結びついた振興開発を拒否して、内発的発展に基づく経済政策が評価され、現職市長が再選された。このように、現在、沖縄県では辺野古新基地建設計画と結びついた振興開発と、新基地を拒否し、内発的発展を目指す地域のあり方について詳細に調査する必要が生じてきている。よって来年度は、以上の点に特に焦点をあてて調査を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年後半に生じた米軍基地建設計画と振興開発との関係を巡る新たな展開に関して、本研究の趣旨に沿いながら、新たな研究調査をする必要になったため、次年度へ予算を繰り越すこととした。 新米軍基地建設予定地とされている名護市における振興開発と内発的発展に関する調査を集中的に実施したい。あわせて、沖縄県、内閣府沖縄担当部局の米軍基地建設と結びついた振興開発計画に関しても関係者へのヒアリング、資料収集等の調査を行いたい。
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Research Products
(6 results)