2011 Fiscal Year Research-status Report
マクロの景気変動を考慮した新たな企業価値・信用リスク評価手法の研究
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23530385
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
菅野 正泰 神奈川大学, 経営学部, 准教授 (00551061)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ファイナンス / リスク管理 / 景気循環サイクル / 信用サイクル / 信用格付 / Hodrick-Prescottフィルター / プロビットモデル |
Research Abstract |
平成23年度は、景気循環性(シクリカリティ)が企業の信用力変化に与える影響について計量モデル分析を行った。 まず、企業の信用力を表す変数(信用サイクル・インデックス)をマクロ経済変数と企業固有の変数によって定式化し、信用サイクルと景気循環サイクルとの相関を考慮することを可能とした。また、景気循環サイクルをHodrick-Prescottフィルターを使い要素分解することによって、日本企業の信用力に影響を及ぼす変数をトレンド項、サイクル項として抽出し、マクロ経済変数そのものを直接導入したモデルよりも説明力の高いモデルが得られることを示した。 次に、日本企業の信用力がマクロ経済から受けた影響度を、格付推移確率行列データを用い、いくつかの距離尺度に基づき計算(最適化)し、マクロ経済が過去に日本企業の信用力に及ぼした影響について分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
・2012年6月に、シドニーのバシリエ・ファイナンス学会世界大会(the 7th Bachelier Finance Society World Congress 2012 (BFS2012))において、ここまでの研究成果について発表し、世界の同分野の研究者の意見を問い、モデルの改良を行う。・モデルの改良と併せて、財務・金融経済データベースを使用して、さらに実証分析を行う予定である。・これまでの成果を学術論文として投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究用文献(書籍・資料等)、数理モデルの計算、論文作成用PC、海外研究調査のための出張旅費に使用する。
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Research Products
(3 results)