2013 Fiscal Year Annual Research Report
近代ロシア製粉業の技術構造と市場競争条件に関する実証研究
Project/Area Number |
23530409
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
中川 雄二 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (30227756)
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Keywords | ロシア / 製粉業 / 産業連関構造 |
Research Abstract |
平成25年度の計画においては、平成23年度と平成24年度に得られた結果を基にして、収集した史料を製粉関連産業内の業種・業態を基準に整理分類し、業種や業態ごとの経営と技術の特性・構造・機能、業種・業態間(主体間の垂直的・水平的)関係、技術移転、並びに国内外の市場構造に関する分析をケーススタディーを業界構造として総括しつつ行う。また、分析の結果を経済史関係の学会や研究会で報告し、議論を通じて分析結果や論理構築の妥当性を検証する。その上で検証結果を精査の上、本研究を総括するものとして論文等で成果を公表する、ということであった。また、今年度は、サンクトペテルブル市の大学や古文書館等にも出張の予定であったが、史料収集の効率化のためにモスクワ市のロシア国立図書館に限定することに方針を変更した。方針変更の理由は、図書館の業務サービスの水準がモスクワ市のロシア国立図書館がもっとも高いという実態認識によるものであった。 実際、今年度も、ロシア連邦モスクワ市内所在のロシア国立図書館で(РГБ)において史料の調査と収集を行った(15日間)。この結果、原料調達においてロシア製粉業と密接な関係を持つベーカリー産業や飼料産業に関する史料の収集ができた。今年度が最終年度であったが、過去の2年度の研究成果(史料収集)の成果と併せて、ロシア製粉業とそれに連なる関連業の業種と業態の相互関係、経営形態、技術特性および内外の市場構造の分析を行うに足りる史料が収集できた。目下、史料の整理を粉いつつ、解析を進めているところである。 今後は、収集した史料に基づき、論文を作成し、発表を順次行っていく予定である。具体的には、平成24年度に大会報告した市場史研究会への論文投稿の準備を進めている。
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