2014 Fiscal Year Research-status Report
人事プロフェッショナルの多技能化に関する実証的研究:人的資源の全体最適化に向けて
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23530478
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
井川 浩輔 琉球大学, 観光産業科学部, 准教授 (80433093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厨子 直之 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (40452536)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 経営学 / 人的資源管理 / 人事プロフェッショナル / 多技能化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,人事プロフェッショナルが保有するスキルを中心に,そのスキルの形成要因や様々な成果への影響について,実証的に明らかにすることである。平成26年度の研究実施計画は量的予備調査において定量データを収集して,平成27年度に予定している量的本調査を実施するために,人事プロフェッショナルを捉える分析モデルや質問項目,仮説などを検討することであった。 平成26年度研究実績の概要であるが,量的予備調査の具体的内容は次のように要約できる。第1に,分析モデルや質問項目を理論と実践という複眼的視点から再設計するために,高業績を上げている人事プロフェッショナルへのインタビューを研究者と実務家から構成されるチームによって実施してデータを収集した。そこから「バランス力」という実践的に重要な多技能化の新たな側面を発見し,従来の理論的枠組みに加えることができたことの意義は大きい。第2に,様々な属性の人事プロフェッショナルを対象に量的予備調査のプレ・テストとその結果に関するグループ・インタビューを行った。アンケート調査の実施方法や質問項目のワーディングなどに関するデータを収集し,調査の手順や質問で用いる表現に活用できたことの重要性は高い。第3に,様々な業界の人事プロフェッショナルを対象に量的予備調査としてアンケート調査を実施した。目標としていた100サンプル以上のデータが収集できたことは,本研究の目的を定量的に解明する上で極めて重要である。第4に,アンケート調査で収集された定量データの予備的な分析を行い,その結果を研究者と実務家から構成される研究会で報告した。現在は,定量データの予備分析に関する論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究目的の現在までの達成度について自己点検による評価を行った結果,平成26年度の量的予備調査は研究実施計画を上回るレベルで実施することができたと判断した。そのように判定した理由は2点に要約できる。 1つめの理由は,量的予備調査において質の高いデータを収集できたことである。平成26年度は量的予備調査を効果的・効率的に実施するため新たに研究会を立ち上げた。その研究会において参加した実務家らとともに分析モデルや質問項目の妥当性や信頼性に関するテストを繰り返し行ったことで,アンケートの対象者である人事プロフェッショナルが理解しやすい調査票を完成することができた。収集された定量データをもとに基礎的な統計解析を行った結果,それら一連の取組が一定の質が保たれたデータの収集に結びついたことが示された。 もう1つの理由として,量的予備調査において研究実施計画を超えるデータの量を収集できたことがあげられる。本研究では,基本的に1つの企業組織における1名程度の人事プロフェッショナルを調査対象と計画しており,アンケート調査において多くの企業組織の協力が必要となるため,統計解析に耐えうるサンプル数を確保することが容易ではないと予測していた。このような状況において,従来から共同研究を行ってきた研究協力者とともに,リサーチ戦略に関する議論を重ねた上で調査を実施した。その結果,当初の計画を凌ぐデータ量を収集することが可能となった。 以上のように,質と量がともに本研究課題を解明するために求められる基準をクリアした定量データの収集が実現できたため,本研究目的の達成度は高いと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題最終年度である平成27年度は,調査研究の集大成として,データの分析と解釈,研究成果の公刊を集中的に実施する。提出時の研究実施計画では,平成27年度に量的本調査を実施する予定であったが,平成26年度に行った量的予備調査において質・量ともに一定の基準を満たした量的データが収集されたため,量的予備調査で収集された量的データを量的本調査で収集予定であった量的データと位置づける積極的な研究計画の変更を行うことにする。このポジティブなリサーチ戦略の変更によって,当初の研究実施計画では研究資源の都合で研究活動に含めることができなかった人事プロフェッショナルへのインタビュー調査が実現できる。この新たに計画されるインタビュー調査の目的は,統計解析結果の解釈を実践的な視点から行うためのデータを収集することである。 今後の研究の推進方策としては,4月から6月頃,研究代表者と研究分担者が打ち合わせを行い,量的データの基礎的な予備分析の結果をもとに年間計画を作成する。本年度は解釈のためのインタビュー調査を新に計画することになったので,その対応策として研究協力者にも打ち合わせに参加していただき,リサーチ・サイトなどに関する調整を実施する。7月から9月頃,量的データの応用的な本分析を行う。分析結果を研究会で発表して研究者や実務家と議論を行う。10月から12月頃,量的データの応用的本分析に関して,分析結果の解釈を深めるための人事プロフェッショナルへのインタビュー調査を実施する。1月から3月頃,それぞれの分析結果を整理した上で論文を執筆して学会誌などに投稿する。
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Research Products
(1 results)