2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530522
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
出水 力 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 外来研究員 (20330136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 輝幸 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (60388353)
遠原 智文 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (50369930)
石坂 秀幸 大阪産業大学, 経営学部, 教授 (50573698)
義永 忠一 桃山学院大学, 経済学部, 准教授 (00351677)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 技術移転 / 海外生産 / 産業の空洞化 / アセアン / 中国 / 海外直接投資 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本企業の海外生産に伴う技術移転と産業の空洞化の実態を、現場・現物・現実の視点に沿い訪問調査を行った。訪ねた国はタイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール、フィリピン、カンボジア、ラオスそして中国などの国である。訪問した企業は大企業から中小企業に渡り、機械製品と部品を中心に食料品、アパレルなど多岐にわたっている。これらの幅広い業種について、個別の技術移転のやり方、達成度と日本のマザー工場との関係、海外生産に伴う国内生産に与える影響なども調査し、一部は関連する国内工場も調査した。 日本企業の海外直接投資は、円高と人件費の高騰に伴い、90年代以降更に増大したが、多くは大企業の海外展開に隋伴するサプライヤー企業であった。シュリンクする国内マーケットを前に自主的に進出した中小企業も多々見られ、国内への製品の還流のみならず、新たに現地で取引先を増やした企業も見られた。 しかし、進出の時期が遅れ利益を上げるより投資の借入金の返済に追われる企業も少数であるが存在した。これら企業の調査を含めて現状を結論的に言えば、よく言われる海外生産に伴う国内生産の空洞化は起っていない。むしろ海外生産のため国内からコア部品を輸出することで国内生産の上昇している企業も多い。 現地生産による売り上げの上昇、親企業との相互関係に寄る生産の補完など総合して生産の上昇をもたらした。日本全体を見れば貿易収支は赤字であるが、海外生産による利益の還流で所得収支は黒字という企業が多い。日本の内需の伸びは今後とも期待できないが、その穴を埋めて余りある海外生産の利益が日本経済を支えている。 訪問した企業の見学を通した現実とヒアリングから、もはや海外生産と、そこから第3国への輸出は当たり前のことになり、超高級品など特殊な物を除けば好むと好まざるに関わらず今後とも海外生産は日本の製造業に取って避けて通れない現実となった。
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Remarks |
研究代表者は2015年3月末を持って、科研の申請メンバーを外れたのWEBページから削除された。
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Research Products
(17 results)