2011 Fiscal Year Research-status Report
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23530543
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
新井 範子 上智大学, 経済学部, 教授 (50286134)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | コンテンツ / 消費者行動 / ソーシャルゲーム / ユーザーイノベーション |
Research Abstract |
コンテンツ消費の実態の調査として、急激に市場が拡大しているソーシャルゲーム市場を取り上げ、ソーシャルゲームに課金する人たちの心理について、質問紙調査を行なった。その結果として、孤独感や不安感などの意識が、ソーシャルゲームへの課金を促しているという背景となる意識が伺えた。さらに、課金行為に関しては、年齢や性別の差はみられなかった。若い人の行動と思われていたソーシャルゲームの課金は、デモグラフィック属性の影響をあまり受けないことがわかった。このことより、ソーシャルゲームはある特定のデモグラフィックの層ではなく、心理的な交流の場として、性年齢の区別なく機能していることがわかる。 また、アニメ評価の実態についてもブログから評価の変遷について分析をした。あるヒットアニメを流行以前の段階から評価していたブロガーの属性と、ヒットした後に評価していたブロガーの属性を比較し、コンテンツにおけるイノベータとマジョリティの差を見出した。このことによって、アニメの導入段階において、その市場規模の予測するモデル化の可能性がある。コンテンツの導入段階において、イノベータの評価をみることによって、コンテンツの広がりの予測ができるのである。 今年度、さらにコンテンツに深く関与した人たちに対する消費行動および消費を超えるユーザーイノベーションの調査につなげていく上で、一般的なコンテンツの消費行動を把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質問紙調査とインターネット上での口コミの分析の両面から、コンテンツ市場の意識を探ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに深いコンテンツユーザーを対象にして調査を進めていく。コンテンツの消費は、消費するだけではなく、そのコンテンツを活かして2次利用していく。いわゆるユーザーイノベーションといわれる消費者発のイノベーションである。消費者が主体的に行動していくきっかけは何なのか、そのプロセスはどうなのかを明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1、ユーザーによる主体的行動の調査コンテンツの2次利用として、たとえば、「痛車」や旅行など、コンテンツを活かして、消費者が主体的に行動や新たなカテゴリーを作り出している。そのプロセスをヒアリング調査によって明らかにしていく。2、消費者のコンテンツ消費の実態調査2昨年度はゲームの消費の調査をしたが、今年度は、もっと全般的な消費行動を調べ、消費の意思決定過程をみる。
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