2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530559
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
東 利一 流通科学大学, 商学部, 准教授 (70268572)
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Keywords | マーケティング |
Research Abstract |
本研究の目的は,百貨店の化粧品ブランドを対象に「新規顧客との関係がどのようなプロセスを経てサービス・リレーションシップに発展していくか」ということを解明することである。 24年度は,リレーションシップの重要性の一般性を明らかにすべく,歴史的な文献レビューを行った。リレーションシップの研究は,当初は北欧のビジネス・マーケティングやサービス・マーケティングという,消費財メーカーのマーケティングからすれば特殊な分野から始まった。それが,アメリカでのサービス・マーケティングやチャネル研究とも結びつき,リレーションシップに基づいたマーケティングの意義が明確になった。と同時に,「交換」から「リレーションシップ」へとマーケティングのパラダイム・シフトも主張された。このことが意味するのは,取引に焦点を当てた経済的交換がリレーションシップを含めた社会的交換へと拡大したということである。この変化を前提に近年では,ビジネス・マーケティングやサービス・マーケティングだけでなくサービス・ドミナント・ロジックやブランド・マーケティングでもリレーションシップの重要性が主張され,いっそうリレーションシップ・パラダイムの進展が明確になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度は,次の2点について取り組む計画を立てた。1,以前行った研究成果のサンプルに偏りがなかったということを明らかにすることも兼ねてサービス・リレーションシップ創出のプロセスに関する顧客側の要素に関して,再度接客レポートを回収・分析する。2,サービス・リレーションシップ創出のプロセスに関するBC(ビューティ・カウンセラー)側の要素を明らかにする。接客する側のBCにも取材することで,23年度に明らかになったことを包括的に説明できる要素の抽出を目指す。 リレーションシップの重要性を明らかにする研究に予想以上に時間がかかってしまったため,回収したレポートの分析途中で24年度の終わりを迎えてしまった。同時にBCへの取材も手つかずの状態になってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
主に次の2点に関して25年度は研究を進めていく予定である。 1,24年度において分析途中で終わってしまったサービス・リレーションシップ創出のプロセスに関する顧客側の要素に関する接客レポートの分析を行う。 2,サービス・リレーションシップ創出のプロセスに関するBC(ビューティ・カウンセラー)側の要素を明らかにする。接客する側のBCにも取材することで,23年度に明らかになったことを包括的に説明できる要素の抽出を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は主に次の点で研究費を使用する。 ①接客レポートや取材記事の定性分析のための,ソフト購入。②企業側からのサービス・リレーションシップ研究に関する,文献の購 入費。③研究会等での発表のための,交通費。 25年度の予算は,主に以下のように使用する。 ①データ蓄積用ハードディスク14万円,②定性分析ソフト8万5千円,③文献購入1万5千507円
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