2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530559
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
東 利一 流通科学大学, 商学部, 教授 (70268572)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | リレーションシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,サービス・リレーションシップの創出プロセスの解明であった。サービス・リレーションシップの研究が一定の成果を収めている今日,「新規顧客をどのようにして固定客にするか」というテーマは,これから重要となるテーマである。そこで,本研究は百貨店・ブランド化粧品の新規顧客との関係がどのようなプロセスを経てサービス・リレーションシップに発展していくのかということを明らかにしようとした。リレーションシップの構築には,以下の2点が重要であることが明らかになった。 ①関係性構築のためには,新規顧客の接客当初から信頼の提供が重要である。 まず,「新規顧客に気に入ってもらう接客」の重要性である。なぜなら,新規顧客にはスイッチング・バリアが低いので「新規顧客に気に入ってもらう接客」が関係性構築のスタート条件となる。来店した新規顧客の多くは関与が低いため,接客員(以下BC)の「信憑性」(専門性と信頼)と「魅力」がカギとなる。BCの信憑性のうち専門性はサービスのコア・ベネフィットである。しかし,信頼はBCのパーソナリティに関するものであり,リレーショナル・ベネフィットの信頼ベネフィットに関係してくる。 ②関係性構築のためには,新規顧客の接客当初から親近感というBCの魅力が重要である。 魅力に関しては, BCのみならず店舗の魅力も含まれる。しかし,関係性構築に関しては人的要因に注目するので,BCの魅力として親近感や身だしなみが重要になる。見送りは,接客の最終段階であるが,関与の高まった新規顧客がBCに好感をもつ大事な接客行為である。BCへの親近感は,リレーショナル・ベネフィットの社会的ベネフィットの芽である。なぜなら,親近感をもった新規顧客はその後BCと関係を構築することでBCと仲良くなったり個人的に認識される個人的関係に肯定的であると考えられるからだ。
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Research Products
(4 results)